自然養鶏での防疫
鳥インフルエンザが広がっている。農水省が全国の養鶏場を総点検の指示をした。総点検が悪いとは言わないが、肝心なことが抜けている。養鶏場にネズミが入らないようにと言っても無理だと思う。鶏が入らない位は可能であるが。ゴキブリが入らないようにとなれば、もう完全にお手上げである。多分農水の指示は、何かしているというパフォーマンスにおわるであろう。現実にはインフルエンザウイルスを常在させた野鳥に対して、どんな手を打つのかが課題である。これには今のところお手上げである。野鳥の現状が把握できない。どんな鳥が危険度が高いのか。養鶏場に何という種類の鳥が、侵入したのか。宮崎の6例の間での、人為的な感染は起きていないのか。例えば、養鶏業者を集めた指導が原因していないか。処理に入っている人間が感染を広げた可能性はないのか。本気で状況の究明をする必要がある。日経新聞では社説で取り上げている。野鳥の問題に触れていないところが残念である。淘汰を徹底しても、解決できない問題になっている。畜産のあり方まで考え直す報道であってほしい。
養鶏場の点検をしたところで、法律の順守ということに成るが、ネズミが入る可能性があるところを操業停止処分にする。ここまでは現実には出来ない。結局無菌状態の養鶏場以外操業させないことになる。そんな養鶏場は世界にない。こんな方向にすすむなら養鶏を禁止するしかない。あるいは野鳥をすべて淘汰することになる。今人間がやっていることは、そういう無謀な、天に唾するような、人間の存在を危うくさせるようなことである。今次々に感染を起きている養鶏場は何万、何十万と一か所で飼う、大規模養鶏場である。何故、大規模養鶏場ばかりで起きているのか。小規模のところは運がいいということで済まされるのか。大規模養鶏場の方が、消毒や、野鳥の侵入の観点から見れば、防御は徹底しているはずだ。大規模になればなればリスクが何故高まるのか。このことに向かい合うべきだ。
例えば、全国に5千程度の養鶏場があるとする。日本の面積は38万K㎡と広い。養鶏場の立地をを分散させたらどうか。養鶏場の立地を10キロ㎡に1個にする。団地化する発想が間違っていたのではないか。今起きている、宮崎、鹿児島、愛知。どこも大規模養鶏場の集中地域である。消毒をすればするほど鶏が弱くなる。強い薬を使うほど免疫が低下して行く。こういうところで事が起きた時の被害は甚大である。水鳥が介在している。直接の感染は様々な野鳥であり、ネズミかもしれないが、数が集中し濃度が濃いのは、水鳥である。水鳥の飛来地から、一定の距離少なくとも1キロ以内は養鶏を禁止する。野鳥については科学的調査をもう少しやらなければ分からないが。野鳥に常在しているのだから、当然起こるべきことが起きている。乾燥が続いているということもある。
自然養鶏では何をすべきか。鶏を健康に飼うことにつきる。今まで自然養鶏で発症が起きていないのは、鶏が比較をすれば健康だからだ。今人間のインフルエンザも新型で大騒ぎである。新型と言いながらも、年寄りの感染は少ない。こうしたことがなぜ起こるかと言えば、様々な病気に感染してきたことで、免疫能力が高まっているからだ。昔のこどもの方が汚いものと平気で接触していた。病気に成りながら、丈夫になった。鶏も同じで、隔離的に飼えば飼うほど、わずかな感染リスクでも感染して、発症してしまう。病気を拒絶するのでなく、折り合いをつけながら、飼育する。狭いところにおしこめて飼えば弱くなる。広々と日光に当てて、飼うことである。緑餌を出来る限り食べさせる。良い卵を産んでもらう時と同じである。人を養鶏場に入れない。養鶏関係者との人的接触も極力減らす。