野鳥のインフルエンザ
野鳥に強毒のインフルエンザが相次いで発見されている。ハクチョウや鴨などである。鳥取県は18日、同県米子市の民家のベランダで見つかったコハクチョウから、強毒性の高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1亜型)を検出したと発表した。山陰地方では11月から鳥インフルへの感染例が出ている。現場から中海を挟んで約4キロ離れた島根県安来市の養鶏農家でも今月2日、感染が確認された。富山県高岡市の動物園で高病原性鳥インフルエンザに感染したコブハクチョウが見つかった.不安が増幅されるような事態であるが、状況が変わった訳ではない。「人間には感染しない。」「以前からこうした状況であった。」この病気のことでは、誤情報が広がっている。間違えそうな情報が意図的に流されているのではないかと思われる、報道さえある。養鶏場には、外部の人間を入れない。野鳥と接触させない。こうした対応は北から水鳥が渡ってくる間は必要である。
野鳥が鶏小屋に紛れ込み鶏も感染する。この感染の経路が、ほぼ確定されてきた。但し、野鳥からの相次ぐインフルエンザウイルスの発見は、調査を行うようになったからである。野生動物は様々なウイルスを昔から保持している。ワクチンも打たないし、薬も飲まないのだから、当たり前のことだ。そうした環境で生き残って今存在しているのが、野生動物である。自然淘汰の仕組みが機能している。たまたま人間というひ弱な動物が、現われて、少々頭脳が優れていた。ついには野生動物とはまるで違う、病気への対応を始めた。この近代医学の姿は、現在途中経過状態で矛盾に満ちている。完成されたものと考えない方がいい。医学が完成されたとしても、人間はいつかは死ぬわけで、それを受け入れ難くとも受け入れるところに、哲学や宗教がある。野生動物はあがくことなく、死を受容している。種の保存の原理から言えば、一つの対応である。
「ある国の鳥インフルエンザウイルスが変異し、患者数が急増したとして、世界保健機関(WHO)が新型インフルエンザと確認した、と仮定。」新聞ではこうした無知というか、悪意のある報道。鳥インフルエンザは、人間には感染しない。人間に感染しやすいように変異するのは、豚インフルエンザが主流である。間違った情報をいつまでも流す報道も、WHOも、悪質なデマの根拠を捏造し流布している、結果になっている。昨年はWHOのパンデミック宣言で、製薬会社はぼろもうけをした。随分の期限切れの薬が捨てられたことであろうか。現代人の不安感を上手く突いたやり方である。何度も書くが鳥インフルエンザは人間を発病させない。極めて特殊な事例をいかにも一般化して不安感をあおる。多分、自己アピールして、尊重されたいとか、予算を多く欲しいとかいう、官僚的な発想なのだろう。
問題はむしろ、人間の都合で付き合わされている、「家畜」という存在である。人間と同様の発想で、医療が施される。しかし、医療というものが不完全なところに、さらに経済動物という意味が加わり、家畜は動物虐待そのものの状態にある。家畜を食べたくないとする、菜食の思想が仏教はもとより、広く世界に存在する。大規模畜産という、元を断たねば人間は滅びる。大規模畜産は、中国に置いて問題を増幅しながら展開されている。養殖魚も同じである。相当危険な実験が行われている、と見ておいた方が良い。日本の家畜保健所は、養鶏場には網を張って下さい。こういう情けない様な指導をしている。無意味である。昨年からは、人目につく範囲で野鳥の感染が確認されている。放鳥したトキもコウノトリも感染するだろう。自然を人間が管理するなどということはできないということである。養鶏場だけ消毒をしたところで、筋違いである。