自給自足は簡単だ

   

自給自足はとても簡単なことだ。農業をやるのは大変なことだが、自給自足だけなら、「100坪の土地で、1日、1時間働けばできる。」私は楽しく23年そのように暮らしてきた。嘘だろうという人がいるといけないから、このブログでもその実態を書き留めている。農業だけで生計が立てられるかと言えば、こちらは相当に難しい。農の会関係のの営農的新規就農者16軒を見ていると、できない訳ではないが大変というのは確かなようだ。笹村農鶏園はそういうものである。しかし、自給自足は普通の人ならできる。一人でやるなら、100坪、1日1時間だが、4人家族ならもっと楽である。二人目が80坪3人目が60坪4人目が40坪ぐらいだろう。つまり、4人家族なら280坪の土地で、一日2時間半一人が働けば大丈夫なはずだ。

4人で年間のお米の消費は240キロぐらいではないか。5畝500平米あれば4俵でなんとかとれる。畑が、130坪あれば、4人が食べる野菜は十分である。自給の食料のために働く時間も、人が増えるたびに一人当たりの時間は減少する。当たり前で、100坪の田んぼも1000坪の田んぼも水回りは一緒である。鶏は飼う方がいいが、人数分必要で、4人家族なら、4羽飼えばいい。3羽も4羽も世話の時間は変わらないことはわかってもらえるだろう。何故、今更こんなことをくどくど書くかといえば、自給自足は不可能だという記事を読んだからだ。確かに、確かに畑や田んぼを借りる事が出来ない。鶏を飼うことが出来ない。こういう辺りが自給自足が出来ないという根拠だろう。その通りで、こういうことを自分の工夫で乗り越えられない人には、棚ぼたで条件がそろっても、結局挫折するに違いない。できないのは、周辺の条件ではなく本人の心がけである。

自給自足をネットで探すと、自給農法研究会というものにあたる。京都の人でとても興味深い自給農業をやっている。いちいち書かれていることがうなづける。そうなんだよ。その通りだよ。やってるよ。こんな感じで読みとおしてしまう。この人の稲作方法が出ているが。5畝までの田んぼなら、この通りやるのも面白そうだ。2反位の田んぼになると、少し違ってくる。1ヘクタールの田んぼになると、さらに違ってくる。しかし、自給の田んぼの5畝位なら、この人のやり方はなかなかいい。参考になる点がたくさんある。自給農業ではこの通りやろうなど思う人は、止めた方がいい。必ず失敗する。この人の発想の仕方の方を学ぶべきだ。この人がなぜ、代かきをこういう手順にしたかを学ぶべきだ。なにしろ、耕転機で都合6回代かきをする。こうやらなければいけないなどと思い詰める人は、自給農業に不向きな人だ。

草を出さないやり方というのを、自分なりに消化してゆける、柔軟な発想力こそ、大切なものなのだ。自分に何が向いていて、何が不向きか。草取りが好きだという人もいる。機械を毛嫌いする人もいる。耕すほど良くなるという人もいれば、耕してはいけないと考える人もいる。自分流を見つけられる人が、自給自足の可能な人だ。だから、自給自足の集団生活というのは、矛盾している。気持ちが悪い。それぞれが独立してやるからいいのであって、集団生活などまっぴらである。個々の人間が社会から自立するという所に、自給自足の思想の原点がある。せいぜい家族までである。みんなでやるなら、普通のことで自給自足とは言わない。集団への依存である。クワ一本で、開墾を始めるばかばかしさがいいのだ。自給自足は目的ではない。自分の生き方の一つの側面にすぎない。

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