意気込みプロジェクト(生ごみプロジェクト)

   

小田原の「生ごみの堆肥化」は加藤市長のマニュフェストに掲げられた課題である。6月6日マニュフェスト検討会が開かれるそうだ。加藤市長の公表した、小田原市の建前として方針は他所の町が評価して、利用するほど良く出来ている。確かに問題はその実現性にある。検討委員会方式と言う独特の方法が、様々な課題で運営された。市民を公募してその市民が市の政策に対して、検討してモデル事業を提案する。それを議会が論議し承認すれば、実行に移すと言う手法である。私は生ごみ堆肥化委員会の市民公募委員として、参加させてもらった。10名の委員で、相当の議論を重ねた。始まりの頃は委員会の設置目的自体が、おかしいのではないかと言う事や。委員の意識の違いで、起動に乗ることが難しいいのではないだろうかと言うような状態であった。果たして、検討委員会で実りある議論はできるのだろうか。そういうスタートだった。

一方でごみの広域処理が進められる中、1年でも早く成果をあげなければならない、時間的な制約もあった。当初の計画では、1年5回の検討で小田原の生ごみの堆肥化を検討して欲しいと言う、不可能なものであった。しかも、専門委員も存在しないと言う、エンジンも無いグライダー状態であった。そこで、正式な委員会以外に、研究会的な部会を設け、課題ごとに徹底論議する事にした。調べれば調べるほど、財政的制約とごみ問題はリンクしていることが分かってきた。そこで、今のごみ処理法より、財政負担を増やすような方法は当面はやらない。こう言う事が共通の意識として芽生えた。全国での成功事例と言われているものは、調べたものは大抵、大きな財政負担を必要とする。将来、市民のコンセンサスが形成できれば、そういう取り組みも可能であろうが、現時点では今より経費が増えないと言う、手法をモデル事業として、実施する必要を検討した。

そこで、出てきたのが、「ダンボールコンポスト1000配布案」である。これにまず取組んで見る事にしたのは、生ごみの堆肥化の学習教材である。生ごみを堆肥にして、そこに種を蒔いて、作物を収穫する。そして食べる。こうした暮らしの循環を各家庭の中で実現できる方法なのだ。これを実践する市民を増やしてゆく。その基盤が要請されて始めて、次の段階に移れる。そして、公募が始まった。果たして1000の応募があるか。と言う議論もあったが、一気に集まった。小田原市民の意識の高さである。これが一番の小田原の可能性だ。たぶん他所の市町村では考えにくい事であるが。小田原市民はとても小田原の事を思っている。この1000の生ごみ堆肥化家庭での体験事業が、土台となって、市全体の生ごみ堆肥化が次の課題である。

もう一つの生ごみプロジェクトが、地域の取り組みである。40の家庭から出る生ごみを回収する。それを電動乾燥機で乾燥し、堆肥場に移動し堆肥にする。このモデル事業が始まる。こちらの事業では、家庭から出る生ごみを堆肥化するための、事業費の予測をここで立てたいと考えている。全家庭から出る生ごみを収集し、堆肥化した場合、どの程度の経費になり、実現可能なのかの調査である。出来る堆肥が安全なものであるか。あるいは、異物の混合はどの程度のレベルになるか。こうした事も併せて調査する。加藤市長が提案した、生ごみの堆肥化が、現実的に20万都市小田原で可能なのかを、一歩から確かめようと言う事だ。これがもし実現できれば、日本のごみ処理のモデルとなりうる、大きなプロジェクトである。日本に限らず、世界のモデルにも成るだろう。この実験に取組んでいる事をとても誇りに思っている。

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