葉山町ごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)
葉山町のごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)の取り組みを見学させていただいた。応接いただいた方に先ず驚いた。どこかでお会いした方だとは、思ったのだが。小田原で普段見慣れている行政の方とは、なにやら人種が違う。垢抜けていて、湘南葉山町というイメージに相応しい、活発な若い女性。都会はさすが違うのかなどと思いきや、何と、上勝町からごみウエストの事で、小田原に来てくれた松岡さんだったのだ。上勝に行かれた話しも、物語だったが、葉山に来てさてどうなるか、いよいよ興味がある。あの時は、上勝町を辞めて、大学院で勉強するとか言われていたと記憶していたが。突然、葉山町の職員になっていたのだ。葉山町の今後の動向は注目である。人口 33,431人世帯 13,883世帯の町。かつては御用邸を中心にした別荘地であり、そして、近年は丘陵を切り開いた新興住宅地として、人口増加した地域である。まだその昔の漁村的集落もげんぜんとある。
葉山町は三浦市、横須賀市と、広域ごみ処理を離脱して、独自にごみ処理をすると宣言した町である。広域離脱をマニフェストに掲げて、当選した森英二町長とその方向を選択した、町民が過半数存在する町である。小さな町が、国の進める広域化を拒絶した英断。それは今逗子にも広がっている。二宮もその可能性がある。必ずしも広域化が、小さな町の利益に繋がらない現実を認識すべき。小田原で考えても、箱根町という、人口とは別の膨大な観光客のごみを、事業系と考えるのか。一般ごみと考えるのか。これだけでも、同じ理念で広域化できるとは、とても思えないのがごみ処理広域化の現実である。独自処理を宣言した、森町長の方針がごみゼロ(ゼロ・ウェイスト)宣言である。5年後にごみを半減する。20年後にごみをゼロにする。現在ここに向って邁進している。
先ず庁舎の入り口を占めているのが、生ごみ処理機。ゴミとなる大型ごみのリサイクル情報。そう広くは無いロビーにも、いくつものごみ処理機の展示。庁舎の庭には生ごみ処理機の各種実践例が、並んでいる。さらに環境課の前はごみ処理機の販売店のような状態だ。市民の意識改革が出来るかどうか。葉山町と、松岡さんにはともかく注目である。何故これほど必死なのか。葉山町では一人のごみ処理費が28,000円。ごみ量でも神奈川県ではワースト1。この町民意識を変えて、ごみを5年間で半減するという無謀な決意。ごみゼロ目標を町長が政治生命をかけて、宣言している。(小田原では?)現在5人の職員が担当として動いている。さらに、一部の議員と職員は生ごみ処理機を、市民に配る前に半年間体験したそうだ。素晴しいことだ。「ごみの事で何かあったら、直ぐ電話で問い合わせてください。駆けつけますから。」環境課からの呼びかけである。電話が無いと、「近頃生ごみはいかがですか。」御用聞きだそうだ。
月例「生ごみ交流サロン」毎月第1月曜日午後の開催。これは小田原でもぜひともやりたい。「ごみっぺらし通信」3000部の配布。ボランティアの記事取材やイラスト、加えて環境課の制作、印刷、配布。ボランティアスタッフ「ごみ減らし隊」の結成。葉山の行政スタンスをうらやんでいても仕方がない。小田原の方が市民力がすごい。ダンボールコンポスト配布でも、市民の力だけで140配っている。葉山では、行政が全力で取り組んで200のクルクル配布である。市民のごみ減量意識ははるかに小田原が上である。4月から、1000のダンボールコンポスト配布である。これは市民のごみに対する意識改革が主目的である。特に教育関係と協力して進める必要がある。問題は20年後の市民の意識改革である。ダンボールコンポストを1年続けると、いつの間にか、ごみという物が汚いものでなくなる。