堆肥の勉強会
小田原市の生ごみの堆肥化を目指して、検討を進めてきた。一方、有機の里協議会に於いても、堆肥の勉強をしてゆこうとなっている。土壌の問題が農業の基本であるからだ。現代の農業は、生産効率を高めることを第一の目標にしている。100年後の農地の事など念頭に無い農業である。特に企業が、借地で農業を行う事が推奨される状況では、10年後の事を考えておけばせいぜいの事である。あしがら農の会の20ヘクタールを越える農地も、全てが借地である。せっかく土が良くなってきた所で、返さなければならないこともある。土壌をよくすると言う事は、ある意味公共的な義務ともいえる。それでは土壌をよくすると言う事は、どんな事であるのか。有機農業における堆肥とは何か。報徳農場で続けてきた堆肥作りを、有機の里として研究を深めようと話し合っている。幸い、神奈川には、藤原俊六朗先生という、堆肥の研究の第一人者が居られる。
小田原有機の里づくり協議会
良い堆肥作りプロジェクト2010
1.プロジェクトの目的
A. 良い堆肥を作る ・・・畑や田んぼに良い堆肥の作り方を実践から学ぶ
B. 経費削減 ・・・堆肥は自分の農場で堆肥化できることを学ぶ
C. 生ゴミ堆肥化 ・・・堆肥と環境問題について考える
2.プロジェクト日程
2月6日(土) 13:00-14:30『原料の積み込み』
使用原料:米ぬか、稲わら、牛糞、茶がら、
スーパーから出た生ごみ、野菜くず
15:00-16:30藤原先生講義@報徳記念館
『堆肥施用の意味と作り方のポイント』
2月20日(土) 13:00-14:30『切り返し』
4月3日(土) 13:00-14:30『切り返し』
15:00-16:30藤原先生講義@大井町立中央公民館
『堆肥の施用効果の施用法』
4月10日(土) 堆肥の土壌施用(畑・田んぼ)
3.堆積場所・研修場所詳細
堆積場所:神奈川県足柄上郡大井町西大井大河原
2月6日講義 15:00-16:30
尊徳記念館:小田原市栢山2065-1 0465-36-2381
4月3日講義 15:00-16:30
大井町立中央公民館 第一・二会議室:大井町金子1995 0465-83-5409
4.担当講師
藤原俊六朗先生
1947年、岡山県生まれ。1970年、島根大学農学部卒。神奈川県農業総合研究所、同芸 試験場、県農政部農業技術課などを経て、神奈川県農業技術センター副所長で退 職。現在、農林水産技術情報協会。
明治大学農学部客員教授。農学博士。技術士(農芸化学)
5.参考書
『堆肥のつくり方・使い方 - 原理から実際まで』
藤原俊六朗 農山漁村文化協会(2003/04)
6.その他
参加者60人前後を想定。小田原有機の里作り協議会やその他農業関係者。
小田原市生ごみ堆肥化検討委員会の参加は未定。
参加希望者は笹村まで連絡下さい。(sasamura.ailand@nifty.com)
自然農法では、転換期間に於いては堆肥を一定必要とするが、充分に出来上がった農地では、堆肥を必要としない。と言う考えのようだ。「持ち込まない、持ち出さない。」緑肥を中心にした、栽培体系になっている。農法と堆肥の話になれば、議論は尽きない。ここで重要な事は、小田原の農地の100年後の事である。未来である。20万の市民が暮らしの結果出しているごみを、燃やして灰にして山に埋める。あるいは最終処分場で適当な処理をして、海に流してしまう。この循環では、どこかが詰まってしまう。何かがおかしい。農地に持ち込んでいけないとするなら、違う循環の道を探らなくてはならない。山の自然の循環を考えるならば、確かに持ち込まないが、持ち出さない。そして大量の落ち葉が毎年入ってゆく。土壌が豊かな微生物の住処となっている。この辺りを充分に研究したいと思う。