タンドール窯の作り方
あまりの性能の良さに、タンドール窯を自作する事にした。いつもの事だが、おおよそで一気にやる。材料を先ず買いに行く。秦野のカインズホームに行く、小田原のホームセンターでは品揃えが悪く、どうせ揃わないのがわかっている。近在ではカインズホームが一番種類が揃っている。もう一つの目的は秦野の湯香楽というお風呂。こちらはそのうちアップする。まず、素焼きの鉢を探す。生地の厚い柔らかい焼きの素材。思わずこれ以外ないというのが、ベトナム製の素焼き鉢。これを2つ買って上下に合わせる事にする。縁が相当に欠けているので、値段交渉をして、20%引きにしてもらう。2個で4000円。売り物とはいえない状態なので、お店にとってもありがたいはずだ。次に、外回りの前に見た樽を探すがない。似たようなもう少し柔なものを買う。これがやはり2つで4000円ほど。漬物用の塩を20キロで2000円。砂はあるので買わない。アルミ接着テープが1000円。針金、ネジ釘、ダイヤモンドカッターなど家にある。
製作時間は2時間づつ4時間かかった。素焼き鉢の加工に2時間。上下の鉢を逆さに合わせるのに少し手間取る。片方の鉢の底を切ってしまい逆さに使う。上部の取り出し口にする。下の鉢は鉢穴の周りに4本の切込みを入れ空気の流量を増やす。そして上の切り離した鉢底を同じに切り込みの加工をして、下の鉢にはめ込み、二重底にする。二重底なら割れにくい。針金で上下の鉢を繋げる。樽状の植木鉢の底板にあてがいの木をビス止めして、鉢がづれないようにする。やはり上部に来る樽はそこを丸く切り取り素焼き鉢が顔を出すようにする。ただし、後で砂と塩を落とし込むので、少し余裕を取っておく。砂、塩と順番に入れてゆくが、案外に手間取る。樽と素焼き鉢の間は4、5センチというところ。下の段が詰め終った所で、上下のたるを針金で繋げる。さらに上下の樽のつなぎ目を、アルミの接着テープでしっかりと貼り付ける。ゴムハンマーで周囲を叩きながら、上まで隙間なく砂と塩を入れる。丁度、砂20キロ、塩20キロというところだった。
出来上がったら、湿気ている事もあり、重量が60キロはあるようで重い。移動式にしようと思っていたが、これでは設置式かもれない。ともかく一度焼いてみてから重さを量る予定。周囲の補強を兼ねて、和紙を張ると良いらしいので、絵を描いてから張ってみたい。素材的にとてもいい状態だとおもう。日本ではタンドール窯といえばインド料理店である。何となくインドカレーとナンとすぐ連想する。しかし、アフガニスタンが本家らしい。砂漠の地であれば、土で作った窯がいかにも雰囲気が合う。チキンよりむしろシシカバブーの羊の肉と言う事なのだろうか。この釜は肉を焼くのに最善だ。インド料理のタンドール窯と言う事だが、やはりアフガニスタンの方がイメージにあう。確か、インダス文明の遺跡などには既に窯があるとか言うのではなかったか。ともかく古い歴史と、その画期的な能力。石釜パン屋さんのそらまめさんの話では、この構造は石釜と同じ構造らしい。
この窯の良さは真下から火が素直に上に抜ける構造。煙突のそこで火を燃やしているようなものである。周囲が厚く塗り固めてあるので、熱が抜けずに蓄熱されて高温になりやすい。流入する空気量で1000度位ならすぐ上がる。焼け方としては壁面からの輻射熱。遠赤外線。土、砂、塩、の影響で、肉が柔らかく湿度を保ったまま焼かれることになる。この仕組みはよく研究の必要がある。間違いなく他のどの方法より、肉の焼け具合がいい。さらに肉から落ちる油などが火で煙になって、肉を香ばしく味付ける。肉を食べる文化の国で出来た釜であろう。放し飼いの鶏を食べるにはもってこいの窯である。上部での火の抜き方、つまり蓋の調整だけで、焼具合温度調整が可能なこと。一度目の試し焼きでは、窯はびくともしていない。耐久性も充分のようだ。