11月の自給畑
この11月は案外農作業の多い月だった。一番はお米の収穫後作業が案外にあること。米と書いて、八十八と言う字になる。お米になるまで88の手間がかかると言うことだよ。一粒たりとて無駄にしてはいけない。これは昔の子供は親から必ず言われたお話だ。ハザ掛けが終わり、脱穀が11月1日。この後食べるまでには案外手間がかかる。籾摺りやら精米やらと何やかや続く。それでも、新米が食べられるのだから、一番嬉しい11月である。新米はご飯だけで食べる。のりで食べる。卵かけご飯で食べる。もう新米だけで大満足である。田んぼに稲がなくなっても、田んぼの作業はある。稲藁の片付け。稲藁はあれこれ使える。秋起こしをして、クリムソンクローバーを蒔く。今年は春に種取りをしたものを使う。発芽がどの程度になるのか、とても心配な事だ。この作業が出来たのがやっと昨日。雨が多くて、田んぼが乾かなかった。乾かない田んぼを耕す事はできない。
畑の方では、麦の種撒きとタマネギの植え付けが、一番気になる。特に、今年は黒マルチでタマネギを作ってみる。当たり前の事だろうが、ドキドキする。黒マルチを使うような農業はおかしい。人をこんな言葉で攻撃した情けない事があった。そうでもないのではないかと、大切に使うなら、使うべきでないか。こんな風に思うように最近なった。一つには中島正さんの自給農業はとても、黒マルチを上手く使う。ビニール類は極力使わない。そう考えてきたが、原理主義にはまるのは良くない。悩みに悩んで、やってみなければわからないという、結論に到った。初めて使ってみた。それほど手間のかかるものではなかった。2人で1時間の作業で600本の苗の植え付け。これだけ作ればタマネギは一年分である。その代わりと言ったら何だけど、土は丁寧に準備した。1年かけた堆肥も使った。
麦は二畝だけ蒔いた。これで、醤油分とうどんくらいは大丈夫である。秋田んぼで裏作で小麦を作っていた昔の人は、とても尊敬する。煩雑で、頭が混乱してしまう。小麦にとっての最善の土と思うと、いつ堆肥を入れて、いつ耕して、こう言う事が身体に入っていないから、理屈で詰めるのでおかしくなる、というか負担の作業になり、作業を楽しめなくなるのだ。昨日のクローバー蒔きは3人の作業で、とても気分が良かった。そう毎日そういう作業でありたい。畑での麦作りは思うままやれるので、いい調子だった。小麦も11月中に種蒔きが終わった。後は麦茶の大麦を少し蒔く。これは12月中なら大丈夫だ。菜花、大根、コカブ、小松菜、ホウレン草、空豆、エンドウ、こんなものを順次蒔いてゆく。みんな少しづつだが、撒ける間はギリギリまで蒔く。日に日に生育が遅くなっている。本当なら、今頃抑制のカボチャが出来るはずだったのだが、何と、鶏の緑餌にされてしまった。来年再挑戦である。
今日明るくなったらすぐに、最後の種蒔きをしようと思っている。今晩から雨とか天気予報だ。発芽のタイミングとか、まだどの野菜が間にあうのか、考えていると気分が高揚する。早朝から千葉に行くので、その前の短時間でやるつもりだ。机に種が並べてある。今年の11月は食べ物が豊富だった。夏野菜のほとんどが11月は食べていた。特にトウモロコシ、ピーマンは長く食べた。さつまいも、ジャガイモ、里芋、ヤマイモ。イモ類も結構できた。秋じゃがはだめだったが、家で食べる分くらいかろうじてある。ジャガイモだけを食べる日が一度はほしい。それぐらいジャガイモは美味しい。家のニラの餃子は他に変えがたいし。うまいものだらけの11月の自給畑である。鶏も順次肉にして食べる時期である。これも硬いが味はいい。毎朝鶏のスープである。申し訳ないほど、美味しい毎日である。
昨日の自給作業:クリムソンクルーバーの播種、タマネギの植え付け、小麦の播種5時間 累計時間:43時間