郵政人事の老人化
郵政社長に元大蔵事務次官の斎藤次郎(73)・東京金融取引所社長を当てると言う。亀井総務大臣と言う人は、時代を読む力がない。いかにも警察官僚出身らしい、内部に対する人事を行った。人脈もどうにも古臭い。亀井氏も郵政改革を担当する大塚耕平副大臣も、揃って他に適任者が居ないと言っている。次に出てきたのが、取締役に作家の曽野綾子氏(78)を起用する方針を打ち出した。奥田碩トヨタ自動車相談役(76)については、財界とのパイプを維持するため、方針を修正して留任となった。平均年齢が後期高齢者(失礼)集団の会社。他に人が居ないと言うのは、もう日本は老人力以外だめだと言う事か。新しい器に新しい酒。もう冒険が出来ない国になった。何が脱官僚だ。今最も国民から注視されている場面の人事で、名前が挙げられるのが、年寄りばかりだ。若い人に任せられないのは、事業仕分けでもそうだった。
亀井静香のモラトリアムもひどい話だ。善人ぶるのもいい加減にして欲しい。借りた金の返済猶予。どうにもこうにもおかしな話だ。横からしゃしゃり出て、何を言い出したのかと思おう。契約という物は守った方がいい。その上で政府が中小企業元気付ける方法は別にある。返済猶予だけで喜ぶような、中小企業はまずない。苦しみを伸ばすだけだ。倒産は早い方が良い。だめなものが、いつまでも苦しんでいるなど馬鹿げている。どうせ返さなければならない借金が、3年先になったらどうだというのだろう。今だめなものが、3年先良くなるなどと言う考えはあまい。亀井氏によると、経営も良いし問題もない会社が、銀行の貸しはがしで倒産する。こう説明している。明らかにおかしい。経営がそんなに良い会社を貸しはがしはしない。銀行から見たらどこか怪しいのだ。簡単にいえば仕事がないのだ。
いま新しく生まれた民主党の新政府がやるのは、新しい仕事の創出だろう。郵政の新会社も、同じことだ。過去の郵政を復活させるのではない。大きい事だけでは動きが取れない。これはとても困難ではあるが、中小企業の技術力、工夫力を生かすこと。グリンエネルギー分野は相応しい世界ではなかろうか。風力発電、水力発電、太陽光、新エネルギー開発、堆肥化、メタン化、ごみ分野。中小企業の技術力で、世界水準を切り開く事。25%のCO2削減のためには、ここに投資の手を打つ必要がある。野菜工場などとんでもないことだ。いずれも、小さいことの価値を見直すこと。ローテク産業化。この辺りに新しい事業分野が潜んでいる。でかいものはだめ。効率化。小型化、ローテク。手仕事。家庭。小地域重視。ここに中小企業が技術を展開するための「施設、資金、情報、連携、」こうした事を準備するのが政府の役割ではなかろうか。
鳩山氏の友愛論の甘さが、こういう緩みに繋がっていないか。甘さが亀井氏と軋轢に繋がれば、肝心の革命的改革が停滞する事になる。例のグローバイズム批判論文。あるいは、憲法私案。善意があれば解決する。というような甘さがある。自衛隊の問題において、自衛の為と明文化すれば、近隣諸国の理解が得られるとしている。世界制覇するための軍隊を持つなどと憲法に書いてある国はない。隣国においては軍事力は攻撃的なもの以外の何物でもない。もし自衛隊の存在を、憲法において明確化するというなら、自衛隊をどう位置づければ、日本の平和主義と矛盾しないかが、憲法の文面の上で表現されなければならない。そのようなことが出来る訳がない。むしろ、憲法にある、国際紛争を解決する平和的手段を、具体的に文面に表わすことが真っ先に必要である。日本国の義務的要件として、国際平和活動の不断の努力を行う事を書く必要がある。ついその話になってしまう。