公共事業と土建国家
自民党の鳩山氏は東京駅の所にある郵政省の建物を残せと、突然騒ぎ出した。あの何の変哲もない、建物を重要文化財だと強弁する美的センスが理解できない。小泉劇場を思い出した。真似をしているのだろう。何故国民は自民党をぶっ壊せという小泉改革の叫び声に喝采したか。それは田中角栄が構築した、土建国家の癒着体質をぶっ壊せるかもしれない、と考えたからだ。所が、ぶっ壊せるどころか、金丸氏、小沢氏と、この仕組みが温存されてきたことが、今回も露見した。政党助成金という、訳のわからない民主主義のコストも、企業癒着を断つという目的があるから、国民は泣く泣く我慢しているものだ。政治にはお金がかかるの言い草は、民主主義が成熟していないからにすぎない。自分の考えを発信したいのなら、ただでできるブログを活用すれば良い。所が、小田原でも28名の市会議員がいるにもかかわらず、ブログがある人が10人あまり。しかも、その大半が更新さえせずにいる。民主主義でかかるコストのはずが一体どこに消えるのか。
政治にお金などかからない。当選することに汲々としているから、お金がかかるだけだ。国会議員がドブ板選挙をやっている。戸別訪問が当たり前の事だ。ポスターは10日までは、貼り放題と勝手に解釈して、もうやたらに張られている。10日からは、又新しいのに変えられるのだろう。政策は全く書いてない。名前と顔写真。地元候補の公式ホームページを見ると、一応の政策らしきものは書いてはあるが、通り一遍の事ばかりで、主張のようなものはない。『地域社会の活性化』 『後継者の育成』 『日本の魅力の再定義』 を軸に長期的なビジョンに立った経済政策を。――これだけが書いてあって政策とは驚く。こんなことは言わずもがなである。衆議院の候補であるなら、具体的に、どうやってそこに持って行くかを書かなければならない。一番知りたいところは、「護憲保守を主張し、衆議院議長として、世界に日本の平和主義を主張した」河野氏の思想に対し、どう考えているかを示さなければ話にならない。その点を質問したが、今の所返事がない。話が飛びすぎた。
企業献金を止めろと言う声が高い。当然の事だが、むしろ公共事業の背景にある、利権体質をぶっ壊せと言いたい。土建会社の談合体質。行政の収賄体質。これを払拭すれば、「企業献金は悪ではない。」こう答弁した麻生氏の言うとおりだ。しかし、企業献金の本意がどこにあるか。日本社会の金権主義化だ。金で全てを動かそうと言う結果になってしまった。企業は仕事が欲しいから、お金をばら撒いていると誰もが思っている。企業の理念から、政治家を押しているなどと思っていない。土建会社は公共事業の業者選択に、政治家の影響が強いと信じている。選挙になれば、お金だけでなく、人員まで動員して協力する。政治家と深い繋がりを持って、利権構造を担保しているに過ぎない。西松建設だけではないだろう。大手ゼネコンだって、間違いなくやっている。ただし、もう少し巧みにやるから捕まらない。自民党の追及の甘いのは、自分のすねの傷はもっとでかい。
公共事業の受注を公明正大に行う。ガラス張りに行う。誰にでもチェックできるようにする。一切のデーターをインターネット上に公表する。そうすれば企業献金は集めたくてもなくなる。地方は公共事業で成立している。農業が衰退してから、そうした構造にならざる得なかった。公共事業を国から引っ張ってくる政治家が、お偉い政治家となった。こうして要らない公共事業が次から次へと行われた。公共事業が地場産業。農業の空洞化の穴埋めに、公共事業。第2種兼業農家。父ちゃんが土建仕事にでる。母ちゃんとじいちゃんばぁーちゃんで三ちゃん農業と言われた。農業を立て直すためにも、公共事業の公正化は必要。本当に必要な公共事業の時代もあった。しかし、必要最低限のものが終わり始めたら、今度は東京湾横断道路。第2東名道路。3本の四国への横断橋。要らないものだから、政治力次第となっている。