三つの市民運動

   

現在、小田原における三つの市民運動に関わっている。一つは久野の里地里山協議会。二つ目が、小田原有機農業協議会。三つ目が市民ゴミ会議。どの活動も市民がと行政がどのように連携をとるかが、模索されている。今日は里地里山の集まりがある。この活動の内実的な意味での、活動をまとめたのは、神奈川県の里地里山条例の制定がある。県の条例を作り、実際の活動を取りまとめてゆきたい。こうした県の考え方が、根本にあったのかと思う。当初は先行的な取り組みとして、条例ではなく、モデル地域のような形で事例が積み重ねられていた。その中で、小田原久野、荻窪地域が有望な地域として、取り上げられた。そして小田原市と県が合同する形で、地域住民に呼びかけがあった。この呼びかけ方が今の枠組みに繋がっているのだが。広く平等にではなく、行政の把握する可能性のある市民に声をかけると言うやり方だった。

既にいくつもの里地里山保全的活動が存在していたが、関係者でも声がかかっていない所もある。まったく知らないという人も居る。この辺りが市民活動と地域の地元組織との関係という当たりが微妙に難しい。私はこの地域に住んで、市民活動的に里地里山保全に取り組んでいるという、両者にまたがっては居るが。基本的に外部者である。江戸時代からこの地域で、暮してきた方が、地域の人である。この辺りは実に微妙な所で、良い保全活動にするためには、外部者はその点の深い配慮がないと、活動が盛り上がらない。又一方に外部者の無神経でもある、先走ったような動きが、活動を推進することもある。ともかく良いバランスと深い読みが大切。要するに市民活動と農業者の関係である。市民活動の人間は平気で、管理されない人工林とか、耕作放棄地とか言い放つ。地元農業者にはたまらない言葉だ。

有機農業推進協議会は加藤小田原市長が代表を受諾してくれた。副代表にジョイファームの長谷川氏と自然農法の石綿氏が就任してくれた。ほぼ骨格が出来た。農協や、農業委員会でも、一定の距離で協力して頂けることにもなった。この会の目的はあくまで小田原の農業の活性化だ。有機農業という名前が、利用できるなら利用しようじゃないかというのが、これが本音である。小田原の農業の活性化の為に、有機農業とか、市民参加とか、新規就農とか、既存の農家の人に役立てる形を見つけたいだけだ。めだか米というものがある。こうの鳥米と同じで、めだかの保全と言う事を建前に掲げ、地域の農業に利益をもたらす、道を探ってきた。メダカのいる地域では、メダカの為に少し農法を協力してもらう。その代わり、有利に販売できるよう協力する。それ以外何も他意はないのだが、農協や地元農業者には、まだまだ理解をされていない。当然の事で、我々のやり方の方に配慮が不足している。

ゴミ市民会議この活動が一番進まない。昨年が一番重要な一年と考えていたが、時間が過ぎるばかりで、市民活動として何も進まない一年だった。ゴミ問題のような、迷惑施設がかかわる問題での、市民参加への考え方だ。ゴミは企業的なかかわりも大きい問題である。ある意味景気対策であったり、雇用問題であったり、企業社会の論理と、市民社会の論理の、大きなぶつかり合いが起こる。この2つの座標軸が、問われている。例えば、大きな溶融炉を造ることは、産業政策である。(この内容は深いので、又まとめて考えたい。)所が市民社会の論理では、暮らしのあり方とゴミという形で、生活の基本に結びつく、生き方の事となる。ダンボールコンポストは究極のゴミ処理施設だ。こう相原さんが言っていた。さすが、これも深い意見だ。ごみ処理の為に養豚を考えた人だけの事はある。何としても、ゴミ問題を切り開きたい一年だ。

 - Peace Cafe