香港の生卵からメラミン

   

もう今更食の安全と言っても、空しいくらいに連日食の事件が頻発している。「卵からメラミン」はあると思っていた。起こるべくして起こった。以前アメリカで中国製ペットフード問題が起きた時に、問題にすべきことだったのだ。あの事件ではメードインチャイナ表示が、リスクの印とされていた。それでも中国政府は強弁して、なんら改善を図らなかった。ペットフードが汚染されているぐらいだから、鶏や豚の餌はおかしいと思わなければならなかった。あの食糧生産国アメリカが、中国から、鶏のえさを買い入れている。こうした食糧の輸出入構造が変じゃないかとは思うが、現実こう言う事になっている。中国からのトウモロコシ輸入の一番がアメリカだった。現在ではもう中国ではトオモロコシ輸出は出来なくなっている。それくらい国内の畜産規模が拡大している。

しかし、日本に中国製畜産飼料は沢山入っている。間違いなく既に食べてしまっただろう。何故飼料にメラミンを加えるかといえば、蛋白値が上がるからだ。配合飼料は、メラミン以外でも本来食糧とは言えない様な物が、禁止されていないというだけで、幾らでも添加されている。メラミンは氷山の一角と考えておいた方がいい。例えば毛皮用動物の飼料など、どんな物を食べさせられているか、考えても怖ろしい。中国ではタヌキの大量死が報道されている。そういうところから、飼料の汚染は広がったのだろう。あれも入れても大丈夫、これを入れても大丈夫と、 飼料添加物は広がる。防かび剤、抗酸化剤、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、抗生物質、抗菌剤、150を超える種類が指定されている。入れて大丈夫だからと言って、科学合成物質を餌に加えるなど、危険と紙一重だ。もうメラミンを加える、一歩手前は許されているといって良い。

こんな怖ろしい畜産に何故なったかといえば、安全は費用がかかるからだ。安くなければ売れない。経営するためにはよりやすい飼料を入れる。老舗の和菓子屋さんが、汚染米を購入していたような社会構造。例えば安全な、卵を生産すると1個230円になる。昔は卵というのは普通にこういう価格の物だった。実際に250円の卵は売られている。買う人がいれば、誰だってこうした卵を作りたいのが本音だろう。理想はともかく現実には売れない。売れなければ継続できない。妥協線がある。妥協の程度が危ういのだ。とことん妥協して、法を犯してメラミンまで行く人もいる。人間の信義が失われた社会では、何が起きても不思議でない。中国の飼料会社が、アメリカのペットの事まで心配しないのも無理がない。

世界が価格競争をしている。まともなことをやっていたのでは競争に負けて消えてゆく。これがグローバリズム。金融崩壊といわれるが、マネーゲームも飼料生産も儲けた者が勝者。遅れて来た中国が逆転をするためには、危うい橋を平気で渡る。もちろん日本国内でも日々起きている。実態を知ったら怖ろしくて何も食べれないような、事態だと私は思っている。今その一端が見えてきただけだ。汚染された井戸水を、わかっていて食品に使い続ける背景。井戸水が汚染される背景。暮らし全体を変えない限り、もう限界に来ている。先ず原点に戻る。自分が食べる物は自分が作る。これは毎日1時間の労働で可能なことだ。家事の一部だと、考えればいい。そこからやらなければ、食の安全はない。

昨日の自給作業:お茶の刈り込み3時間 累計時間:40時間

 - 自然養鶏