笹村農鶏園のあらまし
1、餌は地域で出る物を使う。
○さなご、米糠、そばぬか、オカラ、海草カス、野菜クズ、カボチャ。
2、笹鶏という作出鶏を、自家繁殖している。
○比内鶏とロードアイランドレットと言うものから作出した。
○春だけ鶏は孵化する。
3、卵や鶏肉は地域でのみ販売する。
○食べ物は地産地消を、原則とする。
○あしがら農の会という組織の野菜と併せて宅配している。
4、一切の薬剤を使わない。
○消毒薬、飼料添加物、ワクチンなど使わない。
○自然免疫力を高める飼育。強健系統作出。
5、4つの遊び場を、茂み状態にして、放し飼いをする。
○放し飼いを有効にするため、遊び場は自然状態の創出をする。
6、鶏舎の床は、堆肥置き場と考えて、発酵をさせる。
○発酵状態にすることで、悪い微生物の偏りが起きない。
○育雛も、発酵床で行い免疫力を高める。
7、餌は好気発酵と、嫌気発酵を組み合わせた発酵飼料である。
○好気発酵は卵の味。嫌気発酵は乳酸菌を鶏に食べさせる目的。
8、有機農業と組み合わせた小さな養鶏である。
○畑の肥料と循環することで、土づくりに一助になる。
9、青草を出来れば毎日1羽100グラム与える。
○鶏本来の食性から、青草の多給を行う。
10、水は100メートルの深井戸を利用。
○水の性質は重要な要素。箱根からのきわめて良質な水
近く、小田原市の成人学級の農場見学がある。30人くらいだそうだ。その説明に簡単に養鶏場の事を整理して見た。Kさんという以前から、私の養鶏場の考え方に、とても興味を持ってくださる人がいる。その方の関係で、みんなで見に来てくれることになった。有難い事だ。地域での理解が無ければできないのが、養鶏業。Kさんは以前、東大の池本教授も紹介してくれた。その後東大の研究室の方々が、あしがら農の会の活動に興味をもたれることに繋がった。その関係が色々調査をしてくれることにも成った。私たちにとっても、外からの目で分析してもらえたことは、とても良いきっかけになったと思う。自然発生的な、第1期が終わり、第2期が始まる経過になった。
農鶏園の見学は火曜の午後だ。開設以来、一貫して公開している。毎週見える人がいる。わざわざ見てもらうほどのものではない。ごく小規模の当たり前の鶏の飼い方だ。普通に鶏を飼うと言う事が、どんなことか知ってもらうことは、大切だと思っている。何百万羽も一箇所に集めて、狭いケージに閉じ込めて鶏を飼うと言う事が、どれほど異常なことか。知っておく必要がある。それには、家畜を飼う普通と言う事がどういうことなのか。この感覚が重要である。農村においても、近所に鶏がいることを、嫌うような人が現れている時代だ。一目に付かない工場の中で、卵や鶏肉が生産されている方が、いいと思っている人が、増えてきている。こうした畜産の大規模化は、必ず人間にしっぺ返しが来る。手に負えない病気の発生源になる。鳥インフルエンザのウイルスの強毒化も、こうした大規模養鶏場での感染の連鎖から、発生した可能性が高い。
畑でも、田んぼでも、それは農業だけでなく、漁業でもそうなのだろうが、生産の現場が、普通の暮らしから遠のく一方。その逆なのか、普通の暮らしの方が生産現場からドンドン離れていった。生産を暮らしに引き戻したい。食べ物はお金とは違うものだと言う事を知ってもらいたい。これから世界に於ける日本の立場は、急速に変わってゆく。日本人が原点を失わないためにも、方向を誤らないためにも、生産と言う基本を抑えることは大切である。
昨日の自給作業:草刈など1時間 累計時間:3時間