二見リサイクルセンター
昨日始めて二見リサイクルセンターを見学させてもらった。小田原にとってとても重要な施設だ。食品リサイクルと言う事で、当然以前から関心を持っていた。小田原市の学校給食も、調理前残渣や食べ残しも処理している。私も以前もらいに行ったことがあるので、どんなものかは良く知っている。スーパーや、企業からも食品残渣を受け入れている。規模としては毎日2トンの食品残渣を処理している。能力としては5,4トンの処理能力がある。問題点として、そこで出来た成果物が、肥料として売られている訳だが。これが、1キロ110円になる。大量に購入するとしても、1キロ51円以上と言う事だ。この価格では農業分野では継続して使える価格ではない。と考えてきた。私が鶏の餌として集めるものでも、キロ40円を越えるものは購入できない。現在のリサイクル飼料の全国平均値がキロ39,2円(農水省2007調査)
この価格では循環の流れが出来ない。こう考えて、この事業は成立しないと見てきた。今回の見学では、「何故高くなるのか。」ここを知りたかった。最近それなりに販売が出来てきたという、私としては信じがたい話を聞くようになった。それほど高価な堆肥を使って、果たして農業が可能かと言えば、一例として考えると。田んぼには1反600キロは入れるそうだ。6,6万円。お米が500キロ取れてキロ600円で売ったとして、30万。生産費の2割以上がこの堆肥と言う事になる。さすがに高い。本当に使える価格としては10万円ぐらいが限界だろう。つまり、1キロ20円で堆肥は販売されなければ、農業としておかしい。しかしお茶農家の人に伺うと、どうもそう言う事でもないらしい。この、キロ40円を越える価格でも、使えると言うのだ。この「内代菌」を打ち込まれた、菌体を畑に入れることで付加価値がある。総合的なものだから、何も肥料はこの堆肥だけを使うわけではないから、使える価格だ。こう言われた。
ここで出来たものは、「堆肥で無く肥料」と言う事だ。これがもう一つの見学の目的。窒素含有が、3%という。肥料であれば、窒素含有は重要な要素なので、何を使って3%を維持しているのか。ここが知りたかった。使っている畑や田んぼの様子から、窒素が効いている様子は少しもしなかった。志村さんは4月に800キロ入れた。24キロの窒素と言う事でも、葉色が濃いということはない。全体に窒素が過多の田んぼと言う事は全くない。当然倒れてもいない。菌体肥料と言うように言えばいいのだろうか。化学肥料と言えば、窒素リン酸カリ比が15:15:15とか行って。重量の14%窒素とか、15%窒素とか言うものである。これから農家に広がって行くには、これが堆肥ではないく。肥料であると言う、説得材料をどう構築するか。藤原先生などの、目ではどう考えるのか。学問的な客観的なアプローチも必要になるところだ。一先ず、実験の為に戴いてきた袋で、農の会で試してみる。
全国の平均価格に較べて、ここの肥料が高い原因は2つ想像出来る。普通の食品リサイクル事業は食品残渣の引き取り費用で、採算を取る。どうも引き取り料が安いのかもしれない。キロ25円の物もあるといわれていたが、引き取り相場はどうなのだろう。相場とそこそこであるなら、原因は機械の価格とメンテナンス費用の高さ。これは何処の企業も同じと言えば言えるのであって。根本原因ともいえない。もしこれが高くて出来ないとすれば、全国何処でも成立していない。二見リサイクルセンターでは利益は出ないでも、赤字にならない形で経営したいと言われていたが、市民としてもこの可能性ある事業を、支えてゆく義務があるだろう。それなら、本当の所の原因を究明し、改善してゆく必要があろう。今後の研究課題だ。