愛媛A1菌液
納豆菌・乳酸菌・酵母菌による微生物資材の事である。簡単に自分で作れるところがこの微生物資材の良い所だ。現代農業の8月号でパワー菌液として特集があった。愛媛県工業センターの曽我部氏が作り出したもの。と言っても、身近にあるもので、誰にでも作れるものなので、私も作ってみた。2リットルのペットボトルでやるのが丁度良い。水、1、8リットル上質の井戸水の方がいいと思う。納豆は40粒。(修正4粒)ヨーグルト大匙4杯。黒砂糖100グラム。ドライイースト8グラム。材料をミキサーにかけて、ペットボトルの1,8リットルの水に混ぜて、蓋はゆるく置く。あとは日向に置くだけでいい。35℃が目標。3日から1週間で出来上がる、実に簡単なものだ。出来上がった物を希釈して、必要と思うところにかければ良い。生ごみの消臭が最初の利用法だった。水路の水の浄化にも利用されている。それが作物にも大病性を高める効果や虫を寄せ付けない効果があるというので、農家での利用が広がっている。
微生物資材にはそれは様々あるし、中にはガンが治るなどと根拠のないことまで、主張するものがある。実態がまだまだ未知な不明な世界なので、現状では言いたい放題となっている。ほとんどのものが、金儲けのためと考えた方が良い。と私は決めている。本当にそれほどいいなら、無料で配ればいいだろうに。と思うぐらいだ。その資材がどれほど効果があるかも知れないが、それによって利益を上げる人が居る仕組みのものは、係りたくないと思っている。この愛媛A1菌液は自分で作れと言うもので、これで発案者を含め、誰も儲けない所が気に入った。と言っても、こう言う事は前から色々試行錯誤してきたことで、目新しい訳ではない。油粕を使った液肥。それから天恵緑汁。面倒なこともあれこれしてきた。竹薮のはんぺんから作る菌体飼料も随分やっている。
いずれ農業資材は買わなければ出来ないようなものはよくない。農業は全てを断たれても成り立つような所が面白い。大体にそれほど特別なものがある訳がない。自然は良くしたもので、実にバランスがとれている。自力更生時代の中国では、発酵技術を本気で研究したらしいが、これといった発酵技術が出来上がったわけでもない。むしろ日本の方が発酵の研究にはこだわりがあり、研究が進んでいるかもしれない。それは気候的に日本の風土が、発酵に適合していたと言う事がある。四季がはっきりとしていて、湿潤。たぶん面積辺りの菌の数では世界屈指であろう。所が米ぬかに水を入れれば熱が出る。こんな単純なことでも上手く行かないという電話が年に何本かある。もうこれが出来ないようでは困る。糠が古いのか、水の量がおかしいのか。原因はあるのだろうが。発行は相性だから、相性が悪いというしかない。
愛媛A1菌液の効能は今のところわからない。ともかく作物にかけてみて、何か変化があるか観察している。かけない株と特に変わった事はない。急に効果があるようなものでもないのかもしれないが、悪い影響はないようなので、この後も観察を続けてみるつもりだ。天恵緑汁を作っていたときも、特別な効果を感じるというようなことは無かった。だから結局は作らなくなった。その上に作るのに、すごい手間がかかった。ヨモギの芽を集めるなどと言っても、大量と成ると一日仕事になる。それで効果はあるのかな、程度だから続かなかった。今回のものは30分あればできるから、少し続けて研究してみたいと思っている。消臭作用があるというのだけれど、養鶏場も今は臭わないので、実験する所もなくて、まだやってみていない。