後期高齢者医療制度の廃止

   

舛添要一厚生労働相は19日、後期高齢者医療制度について自ら不備を認め、廃止を決めた。
朝令暮改とはよく言ったもので、随分時間をかけて、確か5年間も猶予期間もおいて、行われた制度であったはずだ。それが、説明不足だとか、年齢分割は評判が悪いと言う事で、廃止と言う事になった。高齢者医療はすべて無料と言う方向の時代もあった。それが財政的に無理が生じる。無料と言う事で、サロン化する。薬漬けになると言う話もあった。紆余曲折があって、後期高齢者医療制度が、改善策として出来たはずだった。高負担高福祉で行くのか、受益者負担で行くのか。この国民的合意が出来ていない。そのために、低負担高福祉が、選挙対策で繰り返し主張される。今回の廃止決定はまさに、その選挙対策としか思えない。ここで止めるぐらいなら、やり方はもっとあった。

選挙対策といえば、福田首相の突然の辞任からはじまり。自民党の総裁選挙そのものが、選挙対策以外の何者でもなかった。興味も無ければ意味もなかった。誰が選ばれようが、総選挙で大敗し退陣することになるのだろう。麻生さんは3日天下。それでもおじいちゃんは総理大臣をしましたでいいのか。厚生省のこと、農水省のこと、これだけの失政を重ね、その非を認めるなら、政権を降りるのが筋だ。2大政党を目指した小選挙区の議会であるなら、あまりに不自然ではないか。本来の議会制民主主義が機能しているなら、2代も総理大臣が職務を放棄して、さらにまたと言う事はありえない話だ。自民党の議員も本当に日本の事を考えているなら、ここは与党から降りて、解党的出直しをしなければならない、と考えて普通だ。しかし、大半の議員は日本の事より、自分の議員生命ばかり考えている。

太田農水大臣の引責辞任も、もっぱらこのままでは選挙ができない。と言う事で、自民党から無理に止めさせられた。と言われている。どうせ24日にみんな一緒に止めるはずだった訳だ。選挙を控え本人は止めたくなかったに違いない。事務所費問題の時に潔く止めておけば、こんなことにはならなかった。政治家としての読みがはずれ、運がなかったのだろう。農水省は今や鬼門だ。既に、石破氏が就任の噂が出ている。誰がなったところで、すぐに止める人だが。選挙の肩書きには現職の大臣として入れられるから、大きいのかもしれない。それなら総裁候補は既に衆議院選挙の事前運動をテレビで散々やって、選挙有利なのだ。ついこの前まではこんな経済緊急事態で、解散どころではない。といっていた。経済危機は今こそ高まっているのに、茶番劇で政治の空白は続いている。舌の根が乾かぬ内とはよく言ったものだ。

国民選択眼だ。高福祉には、高負担が付き物で、老人医療の無料がいいなら、税金がどのくらい上がるのか。税金の集め方と使い方の監視が、国民の政治だ。埋蔵金を使うなど変なごまかしを止して、まともにお金の出入りをマニュフェスト化して、選挙で問うべきだ。出と入りをきちっと議論する政策論議をする候補を、見極める必要がある。上手い話ばかり並べる候補者には投票をしない。選択眼があれば、すぐに変わる。100%食糧自給を、民主党は主張したが、その方法論や財源についてはどうしてもスッキリしない。3段階の改革を今回述べている。議論のきっかけにはなるが、まだまだ不明瞭である。野党こそ裏付けのある高齢者医療を議論をする。少なくとも、その財務的裏づけをホームページにきちっと、表示する。そうした習慣を作り出すのが、野党の義務ではないだろうか。

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