報徳農場の見学

   

小田原の隣の大井町に本部を置く、報徳農場を見学させていただいた。地元のスーパー「ヤオマサ」の会長が設立したものだ。と言って、異業種から参入したと言うような、農業法人ではなく、社長を退任した田嶋会長が、農業がこの地域を活性化する。と言う尊徳思想に基づいて、農業を始めた法人である。報徳社の代表もされている。報徳社は独特の思想的結社とでも言えばいいのだろうか。報徳神社とも関係はあるのだろうか。宗教活動ではない。福祉組織も併設して活動を続けている。あしがら農の会の活動に、関心を持ってくれていることもあり、田嶋氏との関係は10年に成ると思う。何かとお世話になることが多かった。昨日は、韮崎の生ごみの堆肥化を推進しているスーパー「やまと」の話の報告に伺った。一緒に見学に行く予定であったが、丁度人間ドックに行く日で、同行できなかったのだ。

報徳農場は生産物を学校給食に納入している。いまは夏休みで、学校への納入がないので、この点が困る。こう言われていた。しかし、スパーの会長がやられているので、野菜は「ヤオマサ」に出す事ができる。今日はこれから、小松菜を300キロ出荷するといわれていた。「会長、この後、持って言ってもらえますか。」と言われて「あぁーそうするから、大丈夫だ。」こう言われていた。田嶋さんは、会長とは言え、えらぶるところが以前から、全くない。例えば、スーパーの特売のビラを今でも自ら、配って歩くらしい。近所に住む人から伺った。それほど専心する方だ。その田嶋会長が、スーパーの仕事から、農業に方向を変えたのだから、形だけではない。当然、自ら畑に出る農家としてやっている。栽培の研究には、大変熱心でもある。

報徳農場の堆肥を見せていただいた。堆肥の出来を見れば、その農場の技術レベルもわかると言うものだが、実にいい堆肥であった。基本は小田原の野菜市場での生ごみの堆肥化している物が、基本だそうだ。これが毎月1トンある。野菜市場のごみがどういうものかは、見たことはないが、ビニールとか、骨とかは、目立たないものだ。野菜市場の生ごみ堆肥化の機械は、何しろ、スエーデン製で6000万円のものだそうだ。以前から、臭いが出て困ると言う話は聞いていたが、堆肥から見ると、なかなかいい状態だった。毎日1トンは生ごみは出るそうだが。これが、1月1トンに成ると言う事は、30分の一になっていると言う事で、3%ぐらいと言う事か。2%ぐらいに減ると言われていたので、1トン以上のなまごみが入ると言う事かも知れない。この堆肥化した生ごみに、鶏糞と、米ぬかと、畑の残渣などを加えて、再発酵させて畑に入れると言う事だった。

現在報徳農場は20人が働いているそうだ。畑の面積は5町7反。ミカンが7反あるが、止めようかと考えているそうだ。田んぼもやっているが、主になるものは野菜のようだ。今考えている事が3つあるそうだ。先ず根府川のミカン畑が放棄が進んでいる。これを何とかしないといけない。それには、風力発電をやるのがいい。次は足柄地域の活性化は農業の活性化しかないと考えている。農業が良くなれば、全てが回って行く。3つ目は環境協議会の設立。民間行政の枠を超えて、地域にあるさまざまな、環境改善のアイデアを具体化してゆく組織を作らなくてはならない。時々言われていた事が、実践の規模のことだ。本当に変えてゆくには、それなりの規模が無ければならない。小学校の生ごみの活動はデモンストレーションに過ぎない。スーパーやまとの試みが、韮崎を変えて行けるようなものなのかどうか。この点を、調べていただける事になった。

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