稲セルトレー288穴播種器
稲セルトレー288穴播種器の製作に熱中していた。試行錯誤してやっと完成した。一応使えるのでホッとしたところである。舟原田んぼでは、このセルトレーを200枚使う。手で蒔くと言うのは、不可能な状態だ。もし本気で手播きしたら、一枚に、10分はかかるだろう。と言う事は、200枚で、33時間30分かかることになる。実際上は無理。そこで何とか、2分以内で播ける道具を作らなければならなかった。稲葉さんの民間稲作研究所では、箱苗用の手動播種器があるらしい。それは見たことはないのだが、それを見た人から、おおよその仕組みを伺い、何とか作ってみる事にした。それは箱苗用のものだが、播種数を少なくして、大苗、成苗を作ると言う意味では同じ目的のものだろう。これをセルポットの数に合わせて、穴288あればいいという事だろう。
最初シナベニヤでやった。これが断面がささくれて、種が引っかかって、上手く落ちない。のげを取らないと言う、種の側にも問題があるのだろう。もう一つが下が見えないから、穴に合わせるのが難しい。そこで少し高くなるが、アクリル板を使うことにした。これが、結構高いので悩んだが、手で巻くことができない以上仕方がないという事で、思い切って購入した。3ミリ厚と1ミリ厚2枚。本当は4ミリ厚がいいと考えたが、3ミリしか近所にはなかったので、いけると言う事にした。2枚重ねにして、したの穴と合った時に種が落ちる仕掛けだ。だから上に来る穴は種が2粒入る状態でなければいけない。先ずドリルで開けたが、下手をすると割れる。割れる前に、電気ゴテにした。所が、能力がないものの為、上手く空かない。そこで、ドライバーをガスで熱して、押し付けて空けていった。
最初、6,5ミリの穴にしたが、一粒しか入らない。しかも穴に入りにくい。下にすとんと落ちる点だけは、アクリルの方が、板よりいい。実験をするには、全てササクレを取って、整えてみなければ出来ないので、既にえらい手間がかかった。ここまでで2日はかかった。やることが山積みの中、何をやっているのか。内心困ったが、やりきる以外道はない。そこで8ミリに全穴修正。だいぶ良くなったが、まだ入れるときにスムースではない。そこで穴をすり鉢上にすることにする。幸い、ドリルの先につける。とがった三角錐ヤスリがあったので、これを使う。今度はそこそこ上手く、入る。したの穴の方が少し大きい方が合わせ安いが、面倒なので止める。しかし、種籾がこぼれないように、枠をつけなくてはならない。最初から判っていたが、アクリルの接着は初めてで、要領も強度も不安のまま決行。
これで一応は完成で、ためしにセルトレーにセットして、播いてみると、合格。下の一ミリのアクリル板が滑って、ずれる。下の板にも、セルトレーとすぐ合わせられる、桟が必要なことがわかる。これはまだつけていない。アクリル板を目的にサイズに切る事も、それを接合する事も案外簡単なことも判ったので、一ミリの板の下側に、セルトレーに合わせた棒をつけたい。しかし、少しサイズの違う。箱苗の播種にも使いたいので、共用でも上手く行くサイズにしなければならない。これは今日に残った仕事だ。工夫して作るのは、面白いが、手間暇がかかるのは辛い。プラモデルを作るとか、ジグソウパズルをやるとか。そういう趣味の人もいる。そう思えば、出来上がればだいぶ楽が出来るのだから、この時間も無駄ではない。