大豆の脱粒

      2016/08/11

農の会の大豆畑で、昨日脱粒を行った。昨年の大豆の会は収穫祭の行事として行った。全て手作業で行った。確か3週間前に、刈り取りをして、各自のハウスに分散して乾かした。殻からはずしたのは12月3日の事だった。人海戦術で行ったけれど、運搬の手間が一番芳しくなかった。やはり畑で脱粒したいというのがあった。でも他に方法が思いつかない。今年はほぼ中村さんのハウスに運び込んで、そこでやろうと言う話に固まりかけていた。と思っていたら、エビさんから、ビーンスレッシャとかいう機械の、実演をしてもらうので、という話が来た。わざわざ山形県の酒田から、機械を積んで、実演に来てくれた。斉藤農機の雑穀まで出来るスレッシャーだ。とれ秋の間は各地を廻って、実演講習をしてくれているらしい。大豆の事が頭にあったので、参加させてもらった。これが素晴しい機械だった。

機械というと、筧次郎氏を思い浮かべる。「手で掘るごぼうを味わえない人に、食べて欲しくない。」私の農業の方向を、「百姓入門」で教えてくれた人だ。お会いしたことはないし、本のみの事だ。先日軽トラには載っているという話を伺った
軽トラになら、元総理大臣の作陶家、細川氏も乗っている。機械とのかかわり方の範囲。今回の大豆の会では、つくづく考えた。手作業での大豆の脱粒は、乾いた大豆の準備がされていて、40人少しで、3時間30分ぐらいの手作業だった。結構真剣に取り組んだ時間だ。それ以外に刈り取り、2度の運搬がある。今年は作年より畑を広げた。40人で、一日の作業になることは間違いない。相当厳しい作業になる覚悟をしていた。そこに、ビーンスレッシャの登場だ。この名前が、何か正義の味方「スレッシャーマン」のような見えた。

この機械で大豆の脱粒をやると、昨年の倍あったはずの畑の仕事が、刈り取りを含めて、3時間で終わってしまう。多分5,6名居れば充分だろう。人数が居れば、大豆の粒選別まで出来る。しかも、鞘に残る取りこぼしが、手より少ない。3時間を超えて手作業でやると、始めての人はあきあきする。子供も居る。昨年残った鞘には結構大豆があった。これは機械の恩恵だ。田んぼの作業なら、稲刈りはバインダーが、それに当る。コンバインまで使うと、自給農には、ちょっとおかしなことになる。しかし、手刈りにすると、なれない人には上手く藁束を結わけない。これを干すと、乾いてくると抜け落ちる。落ちた藁を再度結んでかける仕事もしんどい。毎年始めての人が居るわけで、それを作業として、辻褄を合わせるとなると、指導ががみがみ言う事で、雰囲気が悪くなる。田植えは手植えでいい。バインダーで刈り取り結束。ハザ掛けで天日干し。そしてハーベスターで脱穀。この手順ぐらいg良い所じゃないだろうか。

大豆の場合の最低限の機械使用はどこまでか。大勢の初心者が参加する前提での、作業の効率性。その辺まで考えると、ビーンスレッシャはやはり使っていいのではないか。実は石油の消費量を考えれば、それの方が少ないのだ。歩き、自転車、バイクもあるとしても、1回10台の車が集まると言う事は、最低10リッターの石油を使う。それが一回分のスレッシャのガソリンはせいぜい1リットル。もちろん単純比較は出来ないが、機械の使用枠は、余り、かたくなに考えない方が、自給は上手く行く。その一方で、不耕起の方がエネルギーを消費しないとか。上手く緑肥を組合すとか。機械を最小限利用にするのは当然の事。そして、機械が一切使えな状況になったとしても、手作業で全てができるように、一度は体験しておく必要はある。

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