小沢一郎、どこへ行く。
安倍慎太郎の限界辞任。今度は小沢一郎豪腕辞任。この人達は一体この国の事を、本気で考えて政治をやっていたのだろうか。自民党と民主党の大政翼賛会政治を、望む国民は、間違いなく少数派。小沢氏のこの手法は民主主義否定になる。民主主義政治の仕組みはトップ会談で、全てを決めるようなものではない。密室の党首会談など、やるべきでない。公開できないような話し合いなど不用。公開できないと言う事は、裏取引の憶測が出る。小沢氏は朝日、日経を除く報道機関の姿勢を強く批判している。憶測の生じる会談が、そもそも政治家としての判断の間違いだ。
小沢氏に、日本の安全保障に対する、独特の考えがあることは、誰しも分かっている。その憲法を逸脱する、国連軍への武力的参加という考え方に、民主党の7割の議員は明確に否定している。そのことを充分承知していながら、党の運営を行うと言う事は、代表である以上、自論を控えなければならない。小沢氏には国民に託された役割があった。選挙での国民の審判を経た政権。これを参議院選挙では、主張していたのではなかったか。2大政党政治を望み、政権交代可能な政治状況を作り出そうとしてきたのではなかったか。であるなら、衆議院選挙で、たとえ自民党が勝利すると言う状況が見えたとしても、それが議会制民主主義だ。国民の選択だ。自論が通らないからと言って、ここで投げ出すとは、何とも情けない。
ねじれ国会と言う、何も決められない、状況がこれから表れるだろう。と言う正にその正念場だった。このねじれ停止国会は国民の学習の場になる、はずだった。大統領制でない選挙制度で、小選挙区制を選択すれば、こうした結果になる事は、充分予測される。否が応でも、6年間我慢するしかない政治状況になった。この混乱停滞を潜り抜けるには、時間を待つほか、手の打ちようのない。そうした選挙制度を作り出した、一人が小沢氏のはずだ。国民は民意の反映しにくい、悪い小選挙区制を、悪いなりに利用して、最良の「国会ねじれ空転」を選択したのだ。憲法すらないがしろにする、政治風土をこうして停止するしかない、と言う判断をしたのだ。民主党の政策を支持して、参議院選挙で民主党を選択したのは一部だ。安倍慎太郎と言う愚かな改憲主義者の、危険を感知した。ともかく止める以外危ないぞ、これが国民の感じた臭いだ。
そうして、インド洋給油も終わった。これだけでも成果だ。やるべきことは給油に変わる、日本独自の平和的手段による、アフガニスタンおよび中近東への貢献だ。即座に国際社会に対して、日本的な手法の、平和憲法の精神に基づいた、紛争解決行動に進む必要がある。同じ対価を払い、努力しなければならない。そうした日本が出来る貢献をも行わないとすれば、世界から何と虫の良い国だと、批判されるだろう。民主党にもその貢献への提案がない。アメリカに言われる給油だけの是非を論議し、日本の考えを示す事ができない。これが日本の政治の不毛だ。
さらに、防衛省の汚染問題が、こうした政治空白で、うやむやになる事はあってはならない。小沢氏への600万円の献金の背景。額賀氏が結婚式でもらったと言う交通費100万円。何故、湾岸戦争への派兵で、寝ずと頑張るはずの幹部が、ゴルフ三昧だったのか。氷山の一角。どう考えてもこれらの背景には、軍事物資納入にかかわる、大疑獄が存在しそうだ。解明されるかどうかは、頼りないが、国民の臭覚は怪しいとにらんでいる。厚労省のテイタラクも異常だ。人の命のかかわる書類が、隠されていたで済むのか。役人の保険料のネコババ告訴どころではない。やっと、おかしなことが浮き上がり始めた所ではないか。うやむやにする為の政治混乱の誘導であるなら、国民は今度こそ監視しなければならない。