IAEAの柏崎原発報告
IAEAの報告がどのような報告をするのかと、注視していたが、「被害は予想を下回る」というコメントだけは出た。朝日新聞では同時にかなり詳しい報告を書いている。これを読むと、相当に大変なことが起きている。予想以上の被害だと思う。と言う事は、IAEAの予想はどんな予想だったのだろうか。当初日本政府が視察を断ったときには、どんな不安を抱いただろう。いずれにしても原発に関する情報が、正確には出てこない感じがする。以前、河野太郎氏がブログの中で、海外の原発事故報道を日本の報道がしないことを、怒っていた。柏崎原発では、まだ炉の内部の調査は行われていない。この炉内で起きた事こそ、重要な問題。良くぞ原発を停止できたと言う事だ。地震発生より、20時間後、全ての炉が停止できた時には、拍手が起きたという。
傍目には、外で起きている火事が目立ったが、内部でその時起きていたことは、もっと深刻な境目があったようだ。IAEAでもう一度、この炉の内部の確認をしてもらいたいと思う。恥ずかしいことだが、日本政府も、東電も、信用が出来ないのだ。事故を膨大に隠していた事件が、その現われだ。原子力発電をやる場合、これ以上の安全対策はない。こう断言できるレベルのものでなければ、いけないはずだ。ところがどうだろう。想定以上の3倍もの地震の揺れが起きた。想定外の事が起きていい施設ではない。最近流れるプールの吸い込み口の管理のニュースが流れる。万全であると言う事だ。ジェットコースターも、海外の事故まで報道される。エレベーターの事故。エスカレーターの事故。機械という物は必ず壊れる。アメリカの橋の崩落も想定外だろう。そう考えると、点検のシステムが重要だ。点検を怠るから、運転している者に対する、信頼も揺らいでいる。
即刻止めて欲しいというのが、私の考えであるが、止める訳がない。これから、温暖化対策、重油依存からの脱却、などと言いながら、原発に擦り寄ってゆく気配すらある。それなら、せめて、コストは無視して、安全対策に本気になるべきだ。先ず、事故が起きたときが、改善の為の一番良い機会だ。大きな揺れが起きたらば、どのようなことになるか。想定する揺れではない。どんな揺れでも問題の起きない原子炉でないなら、それは危険な炉と言う事になる。柏崎原発の建設位置は、市民が断層があると指摘して、問題化していたにもかかわらず、断層がないとされていた地点だ。今になれば、断層はあったかもしれないと、揺らいでいる。他の原発でも同じ事だ。私の家に一番近い浜岡原発は、危険な場所にあるらしい。少なくともそのように指摘している専門家が沢山いる。確か、想定の揺れも、かなり大きく採ってある。
水力、風力、太陽光、と再生可能なエネルギーはある。全ての、日本の家屋の屋根に、太陽光発電装置をつけると、コストも、(コストは原発の後始末も入れてだが)総発電量も原子力と同じになる。原発以外方法がないと考えるのは、電力会社という企業の発想だ。企業の合理的利潤から来る限界がある。もし、大半の生活者が、太陽光にして、電力を販売する立場になれば、今の余剰購入制度は成立しない。技術力も、管理能力も、日本より低い国もある。テロの危険も高い地域もある。その国も、今のままでは原子力発電を始めるだろう。それは人類の危機になるに違いない。次の再生可能エネルギーに向けて、全力で産業化するのが、日本の方向ではないだろうか。