田んぼ抑草技術
2016/08/10
田んぼの抑草技術については、田んぼを始めて以来、様々に取り組んできた。どこでも誰でも出来る技術にしたいと思ってきた。近所で自然農法で長年取り組んできた石綿さんは、米糠を田植え直後に撒くことで、草を押さえている。そこから、何とか、米ぬかを使って草を押さえようと、10年取り組んだ。しかし、出来る田んぼと出来ない田んぼがある。これでは、技術とは言えない。名人の技であり、どうも納得がいかなかった。そこで、昨年は現代農業でも特集されていた、赤木さんの菜の花抑草に取り組んだ。菜の花を大きく育てる事に手間暇かけて、それで居て、大失敗に終わった。今もって何故あれほど草が生えたか、理解も出来ないでいる。そこで、今年は、少し切り替えて、原点に戻ってみた。新しい田んぼで始めるので、気分を新たに、取り組んで見ることにした。2反5畝。3段に別れた田んぼだ。
入水温は現在朝方は15℃前後です。しかし、今年は日照が強いので、昼間は水温が30度を越えています。現状を書く前に、抑草技術の整理をして見る。1、除草剤と同等の効果は必要。2、費用がかからないこと。3、手間がかからず、誰にも取り組めること。4、環境に負荷をかけないこと。5、裏作が出来る事。以上の条件に、米糠は適合していた。ただし、肝心の1、番の除草剤よりは効果が偏在していた。その原因を色々考えてきて、昨年は自然農法研究センターの石綿さんより、米糠は雑草を呼ぶ。と言う事を伺った。石綿さんからは他の事でも指導を受けて、相当の人だと思ってきたので、その考えを納得した。稲雑草は田んぼに共生する。稲の持つ何かが誘引物質となっている可能性が高いと言う考えのようだった。
そこで、米ぬかと同等の効果が期待される、米由来でない素材を考えた。そこで、考え付いたのが、そばの製粉カスだ。蕎麦は分解が早く、アンモニア化すぐにすると言う事も、石綿さんに伺ったこともある。この製粉カスはそばの糠ではない。蕎麦の糠は鳥のエサに使っているのでもったいないと言う事もあり、製粉カスのほうでいいはずと考えた。これにはそば殻2割程度入っている。当初は米ぬかと同様に田んぼに入り撒くつもりだったが、実に軽い物で、田んぼの表面に浮遊する。そこで、入水と同時に流し込んだ。簡単に田んぼ全面に広がった。広がって、3日間ほど浮いている。その間に、風下に貯まってしまう。これが欠点だ。そこで、一辺に撒かないで、1枚に小麦粉の袋1袋10キロほどを一回。これを3日ごとに繰り返すことにした。風上の畦から静かに水面に広がるように撒いた。
今朝で、入水してから、16日目。ほぼ草を抑えている。米ぬかと同等の効果はある。今年は田植え後が暑く、どこの田も草は早い。しかし、今のところそばかすを撒いた田んぼでは草を押さえている。まだ油断は出来ないが、もしこのまま経緯すれば、5つの条件を兼ね備えた方法になる。今の不安はコナギが出ている部分があること。これは今のところ、上手くソバカスが回らなかったところと見ている。そばから出る液が、抑草するわけではない様だ。粉状のものが沈殿して、あるいはそば殻やそばの種が沈殿して、そこで土に影響を与えている。コケ状のものが出来る。現在ミジンコやアカ虫が発生している。おたまじゃくしもたくさん居る。これも偏在している。米ぬかでは臭いの発生が困ったが、ソバカス抑草では匂いは出ない。
補足、これを書いてから、転がしを少しやりに行ったが、田んぼの中の方まで、草はほぼ抑えられている。コナギが出てきている部分は、田んぼの畦の修復の為、代かきが深くなたところ。又土が不足して深みになった部分のようだ。