農の会の味噌作り

      2016/04/05

農の会の味噌作りがあった。先週の日曜に麹作りがあって、昨日が味噌の仕込みだった。7月始めに大豆の種を蒔いてから、畑の整備、作付け、草取り、収穫。豆豆祭での脱穀選別。と長い長い経過を経て、昨日の味噌作りに到った。この全てを通して、初めて味噌作りと言う事を体験した事になる。こうした、長い長い農作業のすべてが、私達の暮らしに何かを伝えてくれると思っている。だから、農協や生協主催の味噌作りを、体験学習だとか簡単に言われると、ちょっと違うよと言いたくなる。最近始まった食育と言うことも、こうした食べ物にまつわる全てを体験する。そのことで始めて、食べ物というものの、何たるかを知る事になると思っている。だから、全ての作業で誰かが教えると言うような事は出来るだけないほうがいいと思っている。大豆の植え方一つでも、夫々のやり方がある。麹の作り方だってそうだ。実に奥の深い作業だ。それを知ったように教えてしまう事は、少々うまく出来たところで、何にも成らない。大いに失敗して、自分で考えて、やれるようになることが大切だ。

味噌作りの場所も転々として、今回は4番目の場所。もう10何回目かになる。小宮さんの叔父さんのところでやらせていただいた。100キロからの豆を煮るとなると、少々の大釜では、出来ない。小宮さんの所の巨大釜ならではの豪快な味噌の仕込だった。豆はおとといの土曜に仕込んだ。大きな竹の一本分の笹の葉を、大鍋の底に枝ごと敷いてしまう。その上に綺麗に選別して、良く洗った大豆を入れていく。笹の葉の間から、こぼれ落ちて底について焦げるのではと言う心配もあったが、そんな事は一粒もなかった。笹の葉の味がまめに移るような事も全くない。前日の準備は10人で1時間ほどだった。当日は朝7時に火入れで、4時間炊いた。火が沸騰するまでに1時間その後は殆ど、薪を足す事もなく、とろ火で煮続ける。あくもとらない。薪が節約になることに驚いた。叔父さんの話では、平塚の在のやり方だそうだ。この佐野と鋳造印がある釜は醤油屋さんの使っていたものだそうだ。

一品の持ち込み味噌料理と、イノシシ鍋があった。私は卵の黄味の味噌漬けを持っていったが、温かいご飯で食べるか、あるいはお酒の肴にいいのだが、おにぎりにはどうだっただろう。鍋のほうは、100人分以上あって、ベジタリアン用とイノシシ鍋とがあった。ベジタリアンが結構居るので、全部にイノシシ肉が入れられないのだ。イノシシは罠で捕まえたものだ。毎晩畑に出てくるので、罠を作って捕まえたのだ。イノシシと豚では味が全く違う。イノシシの方がはるかに美味しい。餌が違うのだろう。どんぐりや山芋を食べて、山を走り回っていたなら、豚もきっと美味しくなるのだろう。

味噌作りは農の会の活動の中でも、最も楽しい活動だと思う。大豆の会、田んぼの会、お茶の会、この3本の柱が農の会の活動だ。これらの活動がそれぞれ刺激しあって、より楽しい活動になって行けばと思う。どの活動も指導的なものであって欲しくない。何の為とか、何を学ぶとか、それは技術であっても、夫々が学ぶ場が作り出されているという形がいい。学ぶには大いに失敗する事だ、自己責任で失敗する。農協のイベントでは、失敗が許されないだろう。指導が悪いとか、言う事になる。だから、農の会では出来る限り教えてはいけないと思う。夫々が、工夫する空気に持ってゆくこと。焚き火一つでもこう燃やすのがいいのだ。と言って指導し譲らない人が居るものだ。

 - あしがら農の会, 味噌