鶏の準備と菜の花の芽生え

   

今年の12月は暖かいし雨も多いい。これは予想した通りだ。12月の16日に蒔いた菜の花が芽を出した。12日目で発芽。こんな時期に蒔いた事はなかったので、出ればめっけもんと蒔いてみた。少し時間はかかったが見事に発芽した。小田原の気候のあり難さだ。これで、端境期の頃の鶏の葉物は確保できた。葉物さえしかっりとできれば、養鶏も随分と楽になる。

鶏は別飼いを始めた。笹鶏の赤系統20羽、白系統20羽が4坪ほどの小屋に入れられている。選抜しながら、数をもう少し減らしてゆく。選抜の基準は次世代を決めるので重要だ。活力が一番重要。目を見ると判断できる。まん丸でくりっとしている事。眠たそうなトロンとした目はいけない。足の爪の状態も重要。爪が伸びているようではいけない。磨り減っている事。足の皮膚はしっかり硬い事。くちばしも短く強い事。トサカはしなびたようではダメ、色も赤くらんらんとしている事。羽は色艶が見事で、美しい事。背中が赤むけているのは良い。雄鶏はこの数で、2,3羽は入れておく。弱いオスは死ぬ事が間々あるので、注意が必要。

種卵の採取は1月末ぐらいに始める。まず笹鶏の純系の孵化をする。それが確認できたら、雄鶏を交換して、交雑した実用鶏の種卵をとる。2月の終わりにはヒヨコがいる事になる。ついでに言えば、種だまはその後の養鶏の重要要素なので、良く吟味する。巣箱に産卵した物。色艶が納得いくもの。形がいいもの。大きさも充分なもの。卵は遺伝的要素が強いので、よくよく観察する事。
それにあわせて、年が明けたらば、育雛小屋の準備に入る事になる。この辺は床の発熱の条件があるので、種卵の採れる時期を見定めて、始めた方が良い。鶏の状態での良い卵を孵化したいので、鶏の観察が重要だ。

例年200羽の鶏を育てる為に、80羽程度を3回孵化する事になる。それが中々そう上手くは行かない。今年こそ上手く行って欲しい。5月までにはすっかり終わっていて欲しい。そうしないと田んぼの作業が始まり、これと重なると、何かとせわしい気分になって失敗をしでかす事になる。これは時間があるなしでなく、気分の問題で、気持ちを集中してゆかないといけないという事だ。孵化中は絶えず頭のにヒヨコの事がある。

キツト今年の雛たちには、今発芽した菜の花が緑餌として使えるのではないだろうか。小さい頃から、緑餌を出来るだけ食べさす。それも細かく刻んだりしないで、丸ごと突かす。そうすると、硬い草でも食べてくれるようになる。ハコベなどを与えていると、柔らかい草しか食べなくなる。それと同じ事で、ヒヨコは最初はくず米を与える。くず米がいつでも食べられるようにしてやる。しかし、注意深い観察が必要で、適度にゆで卵も与える事。一番いいのはミルワームを食べさせる。

こんな事を何十年と繰り返してきたわけだが、そろそろ潮時だと思っている。60に成ったら、どう縮小してゆくかが大切だと考えている。それには来年は一年かけて、その後の鶏とのかかわりを考えるつもりだ。もちろん、笹鶏の保存改良だけは、続けてゆくつもりだ。自分の所で雛を取る当たり前の、農家養鶏がいつか大切になってくると思うので、その時まで生きているかは分からない。笹鶏もたいした鶏だとは考えていないが、この程度でも他にはいないのだから、継続する必要があると考えている。

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