バイオエタノールは地球を救う、のか?
エコ燃料として、バイオエタノールが注目されている。化石燃料の枯渇、高騰。次世代燃料として、ブラジルのサトウキビ栽培など、一気に広がっている。原料作物はトウモロコシ、サトウキビ、キャッサバなど。栽培が世界中で一挙に増えそうな勢いだ。
本当にバイオエタノールが、脱石油の救世主になれるか。考えておきたい。
栽培中心地は中南米、アジア、アフリカなど途上国。これらの地域は8億人を超える飢餓・栄養不測不足人口が集しているところでもある。このまま進むと限られた土地資源を燃料と食料で奪いある状況が生まれるだろう。これは最初の関門なる。仕事が増え、収入も増加するわけだから、上手いバランスのとり方が、可能なら、食糧生産が行われる地域も、出でくる可能性も考えられる。
次の問題は、遺伝子組み換え作物の問題がある。予測できるのは、食料で無いのだから、その植物は除草剤耐性であり、虫に対する毒性のある物になるだろう。自然界から言えば、とんでもない異物になる可能性が高い。まだ、遺伝子組み換え植物の、自然界に対する治まり具合は、検討もされていない。いたずらな危機意識でなく、平明にこの点は検討を深める必要がある。産学協同になってから、どうも企業にとってマイナスになる研究と言う物が、おろそかになっているようだ。
種子資源の特許の問題が、3番目の問題だ。今のままで進めば、モンサント社の独占になり、特許がかけられた物になるだろう。この点の解決策の、提示が無いまま現在広がっている。本来生命体に特許と言う考え方が、許されることなのだろうか。私が発見した微生物だから、この微生物は私の物であると、言っていいものだろうか。経済が全てに優先され、微生物発見の熱意もお金の為に、進んだ。そこに一定の枠を設ける必要がある、新しい事態だろう。
微生物が、植物体になった場合は、新たな特許の課題だ。植物資源は多様であることが、重要だ。単一になる場合、イメージとしてだが、アマゾンのジャングルが切り開かれ、遺伝子組み換えのトーモロコシ畑だけになった場合。そこは虫もすめない、草も生えない、死の世界になるだろう。これが地球の自然バランスをどう破壊してゆくかも、考えておかなければならない。
遺伝子組み換え技術は、コントロールできる、工場の中だけにすべきだろう。医療技術で、大腸菌など、多様なの組み換え技術が成果をあげている。エコエネルギーも本来、工場内で模索すべき技術だ。
建築廃材のエネルギー化。これが一番可能性のある技術だと思う。建築廃材や間伐材などの木質系バイオマスは、廃棄物として年間2,650万トンある。これを廃棄物の排出者が処理業者に、お金を払って引き取ってもらう『逆有償』のシステムによって、経済性が出てくる。
月島機械が設計した本格的な廃木材エタノール化プラントが堺市に完成し、来年1月に世界初の商業生産が始まる。大成建設や地元の廃棄物処理会社の協力で廃木材リサイクルが実現する見込みで、年間3万トンの廃木材を3700キロリットルのエタノールに変え、ガソリンに添加して販売する。