遺伝子組み換え植物
昨夜、「食の未来」のDVDをみる、プチ・ピースカフェを行った。9人が集まった。有機農業研究会の久保田理事から、補足の説明を伺いながら、興味深い恐ろしい話をした。
私達が自由に自家採種して、作物を作ることが、禁止されるかもしれないと言う話だ。そんな馬鹿な。誰しもそう思うだろう。しかし、青天の霹靂、カナダの菜種農家パーシー・シュマイザーの畑は、勝手に飛んできた花粉の為に、モンサント社が作ったランドアップ耐性菜種が、交雑されてしまった。
シュマイザーさんは菜種の農家的育種家として、自家採種を繰り返してきた人だ。。モンサント社から、「あなたは我が社の特許である、ランドアップ耐性菜種を違法に栽培している。今後栽培を止め、栽培した生産物を我が社に提供しなさい。」こんな脅しを受けることになる。そんな馬鹿なことを、私が私の畑で、何故自家採種することが許されないのだ。誰しもが思う。
ところが、これが最高裁まで、争い裁判で負けてしまう。信じられますか。実はこれは遠い所の話ではない。神奈川県でもすでに、遺伝子組み換えの菜の花が見つかっている。こうした花粉が、どんどん広がっていることは間違いが無い。そして勝手に広げておいて、お宅はモンサント社の特許を侵害しているから、栽培を即座にやめ、我が社が生産物を頂きます。こうした訴訟を起こされるかも知れ無い。
これは食の未来どころか、現実なのだ。
アメリカはこのやり方で、世界の食料を支配しようとしている。日本の野生の山芋が優秀で特許がかけられていないから、これを先行して、特許にしてしまおうと言う発想なのだ。こんな馬鹿なことが起きているのだ。そもそも、自然界の生命体を、特許にするなど、あってはならないことだ。生命体は人間のために存在している訳では無い。
日本政府はこうした事態に対し、何を手をこまねいていたかと言えば、さすがに、そうでもなくて、「稲の遺伝子組み換え」作物に遅ればせながら、取り組んでいる。いい加減にして欲しい。お米では巻き返そうと、すでに実験栽培を繰り返している。神奈川県でも、農協の実験場で栽培しているのだ。昨年春には野外実験に切り替えようとした。しかし、このお米の花粉が飛んで来たらどうなる。農協が組合員の首を絞めていいのか、と大きな反発が起きて、野外栽培には切り替えられなかった。
勝手に、農協の田んぼで作っていた花粉が、飛んできて、お前のところの田んぼは特許を侵害しているから、罰金を払えと言う。そんな馬鹿げたことが、カナダでは起きてしまったのだ。モンサント社は日本での遺伝子作物の普及を、世界食料支配の鍵と考えて、小泉政権に対し、門戸開放を迫った。現状ではアメリカの大豆が、生産コストかっら見れば、優位なわけではない。世界戦略として、莫大な補助金を加え、世界各国の農業つぶしにかかっているのだ。カリブの天国ジャマイカなどは、アメリカの格安の農産物に支配されてしまい、自国の農業は崩壊した。
ブラジルはエコエネルギーのために、遺伝子組み換えを認めた。食べないのだから何でもいいということで、ジャングルを切り開いて、遺伝子組み換え作物を広げているのだ。一見緑の畑ではあるが、そのトオモロコシ以外は何も育たない、緑の砂漠となるのだ。
遺伝子組み換え作物は安全性で考える必要が無い。それより、農家の自家採種が許されなくなることが、一番恐ろしい。