2006年の、田んぼ
2016/08/08
早稲のキヌヒカリの田んぼは穂ぞろいに入った。アキニシキはまだ走り穂ぐらいで、例年より大分遅れている。昨年の坊所田んぼは8月15日が出穂だったので、一昨年は8月19日だった。今年は10日は遅れるかもしれない。月末が穂揃いというのが、平年なので、今年は、9月にはいっていうことになりそうだ。
8月初めの全国の作況指数によると、神奈川県は100の平年並みとなっている。農水の発表は9月半ばだから、中間発表なのか。7月の日照不足が、何故影響していないというのか。ちょっと驚いた。確かに、6月は好天が続いたので、5月田植えを、しかも早めに田植えをしたところは、充分に分結が取れたところで、7月に入った。所が、私たちのように遅い田植え、6月2週目が中心となると、やっと活着して、これからというところで、日照がなくなった。それから停滞が始まり、8月にはいってやっと動き出したが、分結不足になったのではないか。
7月に葉イモチが出て、水口は隋分やられてしまった。これが完全には回復できないまま、穂が出る状況になってしまった。水のやり取りで、対応はしたつもりだが、水温も20度以下、7月は低すぎて、手に負えない感じだった。やはりこのあたりも谷の奥の田んぼの条件だから、止む得ないだろう。
8月には入って、やっと夏が来て、4日間晴れた時は、これで今年もお米が食べられる、とホッとした。その後も8月らしい天候はやってこない。このあと少し良さそうなので、穂が大きく成ってくれて、粒も張ってくれれば、去年の2割減ぐらいで済みそうだ。株ががっしりして、葉の厚みも充分ある。握った時のバリバリ感もある。葉色の落ちて着方も、悪くない。
分結不足には、雑草の初めてといえる程の大量発生も影響した。菜の花抑草を始めて行い、大失敗に終わった。すき込まれた菜の花の塊の上に、猛烈な勢いで、コナギが繁茂したのには驚いた。田んぼは夫々で、やはり欲をかいて、他でいいからと言って、簡単なことではない。
作況指数74が1993年の冷害年だ。農の会が出来た年だ。このとき自然農法の人から、自然の稲はこういう年でも収穫が出来た。自然の稲が冷たい気候に対応したのだ。こういう報告がいくつもあった。そのまま聞くには眉唾な話だと思った。自然農法をやられている人は、気候に対して、すばらしい対応をしたのだと思う。長年の自然栽培の経験が、冷涼な気候に最善の対応を見出せたのだと思う。作る品種も自分なりのものであったかもしれない。
今年は90を割るような年になるかもしれない。まだ、その恐れはある。今のところ、8月の天候は悪くない、しかし、南の地域に大きな台風が来るかもしれない。このところの大型台風はあなどれない。そうなれば、大変苦しい結果になる。現在、869万トンが予測値だそうだが、830万トンという農水の収量目標も下回るかもしれない。
しかし、93,94年の冷害年に言われた事だが、農水が政治的に、指数を操作していないかということだ。あるいは中間発表する、米業者が数値をいじっていないか。米の市場開放や、米の備蓄制度、こうした思惑が、指数を動かしたのではないか、という話だ出ていた。93年も無いはずのお米が、後から大量に出回り、結果的には輸入したタイ米が、捨てられた。結局国産米の最終量からすると、輸入する必要はなかったのだ。私は鶏のえさに随分使わせてもらったので、よく覚えている。