国際協力アート展

   

熱海に起雲閣という建物があります。元旅館だったという、建物が寄贈され、様々なイベントに利用されています。建物を見に行くだけでも中々面白いのですが。
ここで、JHP・学校を作る会が主催して、国際協力アート展が開かれていました。
私の住んでいる近くにある、久津間製粉も後援されていました。

友人も多数参加されておりました。今度一緒にグループ展をやる星崎千恵子さん。農の会のなかまで、今度のお茶摘にも見えるそうです。作家としても、大変魅力的な作品を、連続的に発表されていて、今回どんな作品を出しているのか、楽しみでした。大作は2点。稲穂の作品ともう一点。見に行ってよかったと思いました。微妙な白い面のバランスが、絶妙でそこにおかれた茶色が、全く土着的で、またとない作品です。会場は絵画展示には、ヒカリの状態が悪く、良くないのですが、何度見ても惹くつけられる作品です。
小品もすばらしいものが2点出ていました。変形の画面に、和紙が面白く張られていて、そこに置かれたやはり茶色の色の塊が、有機的で、幻想的で、惹き付けられました。
私は星崎さんのような作家を本当の意味での、抽象の作家だと思います。全くデザインではないのです。心の鼓動のような物を、直に画面化しようとしたら、こういう形しかないだろうと思います。日本では、日本画の伝統を受けて、抽象風に見えるデザイン画を、抽象絵画と思い込んでいる節があります。きれいに収まりを良くすれば、襖に丁度いいというような感じです。

三橋節子さんの作品もありました。この方は、今度の秦野の9条の会の発足集会の案内ビラの絵を描かれています。古くからの水彩連盟の友人です。この方はキリコ的に心情を表現されてきました。平和への思い。又どちらかといえば、絶望、虚無感、無常、こうした埋めきれない思いを、何とか平和な日々の暮らしにつなげようとして、描いて来れれました。誠実極まりない絵です。それは、ある意味不可能な作業のため、辛い仕事をされていると思ってきました。しかし、この作家のすごい事は、少しづつその困難な仕事を統一してきている事です。だからいつも次の一枚が楽しみなのです。

それから、陶芸では、ボバ和歌子さん、と鈴木隆さん。鈴木さんが見るたびに上手くなるので驚異的です。この人は本当に精進しています。裂き織りをしている、水樹の会の人達も出していました。美しい会場で、美しい季節に、気持ちのよい作品を見る。こんな幸せな事はありません。作品を見るというと、どうしても東京方面になりがちですが、東京ではお目にかかれない、すばらしい機会を得ました。

このJHPという団体はカンボジアに150棟の学校を作った団体です。小山内美枝子さんが代表になって活動されています。先日の国際協力フェスティバルでも、この地域の活動の盛んな事には驚きましたが、そうした関係もあって、熱海で開かれたのかもしれません。この地域の作家が多数参集して、こうした平和の目的で、この地域で、すばらしい展覧会を開かれた事は今後の平和活動のあり方を、示しているように思いました。

 - 水彩画