米を買ったことがない
「ゆがふもち」6月初めに稲刈りする2番田んぼ。40センチ角植えである。満作の状態である。良いお米になっている。12月13日田植である。長い栽培期間であった。尋常な栽培状態ではなかったが、結果的には立派なお米が出来た。これからののぼたん農園の稲栽培に突破口になった気がする。
農水大臣の米を買ったことがない発言が米価格が倍増して怒っている消費者の神経を逆なでした。自民党の江藤拓農相が佐賀市での講演で「コメを買ったことはありません。支援者がたくさんコメをくださるので、売るほどあります。大変なんですよ、もらうのも」ヘタナ冗談である。
まず、お米を差し上げた支援者が聞いてどう感じるだろうかと思った。江藤氏はまさに農林族と言われる議員である。農協の悪巧みの仕組みなど一番知っている人だ。江藤氏は苦しかったはずだ。江藤氏が農協を説得できると石破氏は考えて居たはずだ。所がそれが出来なかったのか、しなかったのか。
石破首相は以前から減反の見直しを主張していた。そしてやったのが備蓄米の放出だ。農水省が抵抗感を持つ政策を押し切って石破氏はやろうとしていた。それにブレーキをかけ続けてきたのが、森山幹事長である。そして農水族の実力者として知られる江藤拓氏だった。
農水大臣が米価高騰対策の責任者である。そして、価格引き下げを見逃してきたのだ。主食価格が倍増してしまった現状は誰が考えても不自然なことだ。その主たる責任が農水省の米政策にある。つまり長年行った、小さな米農家対策の紆余曲折の結果だ。米が売るほどある農水大臣であれば、十分に十分に分かっているはずだ。
減反政策はしながら、何とか小さな経営の出来ない農家を支えようとしてきた。その米政策があまりに稚拙で、問題が先送りされている間に、農家は老齢化し、減少が進んだ。ここまではもくろみ通りのはずだ。しかし、抜本改革の道の食の安全保障政策はなく、ただ減ったから良かったで、うやむやに置き去りにされてきた問題である。
もしその責任を農水大臣がいくらかでも感じていたら、こんな悪い冗談を言っている場合でないことは分かるはずだ。農水の責任を棚に上げて、知っていながら、あるいは単なる無知で、流通の中の精米問題にすり替えるための、前振りの冗談だったのだ。精米問題が米価格2倍の原因や、緊急放出したはずの米が、出回らない理由ではないくらい誰にも分かる。
これは農水の能力不足と、農協のしたたかさが起こしたことだ。結局高値が続けば儲かるやつが原因を作っていると考えるのが自然だ。もうけが農家に行くならまだ良いのだが、農家からは安く買い取っているから、農家には行かないはずだ。倒産しかかっていた農協もあるから、ほっと一息な農協もある。
食料の安全保障と言いながら、全く進まない現状をどう考えているかである。トランプ自動車関税25%の引き換えに、米の自由化をしようという深慮遠謀の作戦だったのか。それほど先読みが出来る人が居るはずもない。瓢箪から駒で、米などアメリカから買えば良いが、現実になるのか。もし本音がそこにあるなら、馬鹿を装うほか道はない。
わたしも米を作っているので米は買う必要がない。しかし、いろいろのお米を買っている。比較して調べることがある。当然精米機ぐらい持っている。精米機はそれほど高くないから、玄米が白米よりも精米費だけ安ければ、十分元が取れる。精米してはご飯を炊く。これが一番美味しい。私は玄米ではなく白米を食べている。
お米は作る前にどう言う味なのか買って食べてみることがある。最近は台湾のお米や、外国のお米を食べてみている。それが当たり前の専門家の姿ではないか。今年も3種類新しいお米を栽培している。なかなか石垣島で栽培できるお米は見つからない。
農水族の農水大臣であれば、いろいろのお米を買って食べて貰いたい。ベトナムのお米がどんな味か知らない農水大臣では困るだろう。北海道のお米が今どんな味なのかやはり食べてみて貰いたい。そのときに、スーパーに行って買って食べてみて貰いたい。そういう農水族議員であって欲しいものだ。
記者に問われた弁明によると、「私自身は先週も近くのスーパーで、いわゆる備蓄米を使った複数米、ブレンド米も買ったばかりだ。東京で1人暮らしなので、定期的にコメを購入している。」何故農水大臣がこんな嘘に嘘を塗り重ねて、玄米を宣伝しようとしたのかが不思議で成らない。
私も同じくときどき小田原で一人暮らしだが、お米はなかなか炊けない。パックご飯を買っている。小田原ではご飯を炊く余裕がないのだ。外食か、パックご飯。江藤さんあんたは偉い。大臣で忙しい中、お米を炊いて食べているのだ。忙しい人が、東京で一人暮らしで、お米を炊くのはやれるはずがないと思うが、まさかである。さすがの農水族である。
江藤大臣は玄米流通が良いと言いたかったようだ。これは正しいことだ。日本全国どこでもどんなお米でも玄米が買えるようであれば良い。玄米が白米よりもいくらか安くて、家で好きな精米度合いにして、新鮮なものを食べると言うことになれば、よりお米のおいしさが分かるというものだ。所が玄米の方が高いことがままある。
農水族農水大臣なら、全国津々浦々の農協にコイン精米機を設置するように、指導すれば良いだけのことだ。農協の言い訳などに言いくるめられてどうする。つまりこの農水大臣がお米の流通を知ったところで手出しが出来ないと思っているのか。農協よりも米流通に詳しいぐらいでなければ農水大臣は務まらない。
「私は玄米をいただいて、そして地元にある精米機で精米して食べている。だから、皆様方も精米に限らず、いわゆる備蓄米については玄米で売られるようなことにもなるので、ぜひ玄米で買って、精米して食べていただきたいということを伝えたいという気持ちが強く、ちょっと、かなり誇張した表現をしてしまった。」
これもうそである。私は人にお米をあげるときには精米して渡す。大臣の支援者の農家の人なら、精米くらい家でやれる人が多いだろう。そのくらいの配慮がないとすれば、少し配慮のない人だ。大臣が白米で食べているのを知っていながら、精米しないで渡すとすれば、ちょっとセンスを疑う。石抜き機ぐらい大抵の農家にある。どこか言うことがおかしい。
米価格についての発言では、「やはり国が量を出しさえすれば価格が下がるというのは、なかなかそう単純なものではない。もう何度も説明しているが、小売りの方々は2、3日分の精米された袋詰めのコメを定期的に届けていただきたい。卸(卸売り)の方々も、集荷からいっぺんにたくさん受け取っても精米できないということだ。だから、そういった流通全体の見直しもまた必要だ。」
これも大臣の怠慢である。分かっているならやれ。農協や流通業者の言い訳に従うだけでは大臣ではない。こう言う無能を装う姿勢はつまり、農林族だから、農協側の人間かと思わざる得ない。流通の見直しなどしないでも、精米など方法はいくらでもある。農家でも、お米屋さんでも、良い精米機を備えているところはいくらでもある。要はやりようである。
単に無知無能を装い、ごまかしているように聞こえる。本当は知っているのだ。根本的改善策を知ってはいるが、それを進めると農協が困る。よって自民党が困る。と言うことだ。米価格を本当に下げたいなら、いくらでもやることはあるし、可能なことだ。それは農協を潰し自民党を潰すことになる。
食料の安全保障にも関わることになる。守るところは守ってと言うことだから、くだらない嘘をつかなければならないことになっている。米価格の高止まりを、精米問題にすり替えるな。記者の質問もぬるすぎる。問題の要を理解していない人の質問という者はくだらない。
調査報道が出来ていない。だから精米問題を突っ込む記者はいない。そんな物かと聞き流している。石垣島にはコイン精米機がない。そんなことは誰も気にもかけていない。コイン精米機の貸し出しを農機具会社がやっている。農機具会社に置いてあることも良くある。
コイン精米機がないと言うことが、石垣島の米作りの実情を現わしている。精米機のない地域の行政が、家庭に精米機を配るぐらいやって貰いたいんものだ。石垣では白米の保存が極めて難しい。冷蔵庫に入れておかなければならない。玄米保存で精米して食べる。
そして江藤氏から小泉大臣に農水省は代わった。以前、農水大臣をやったときには大規模農業の推進を主張して、相手にされなかった。今度こそ本気で進めて貰いたい。良い機会だろう。大規模化できるような、農地の制度の見直しからだ。併せて小規模農家の地域も制度的に決める。補助金だけで大規模農家は生まれないのだ。