又湿疹が出た

以前湿疹が出来たことがあった。原発事故の頃である。放射能で土壌が汚染されて行く。農業を続ける事への不安が湿疹をひどくしたのだとおもう。ヨブ記のヨブを思い出した。文明の転換するときに、自分に変わらなければならないというシグナルのよう気がした。
放射能汚染を誰かが悪かったために、東電が、政府が、誘致した自治体が、当事者が悪いから、原発事故が起きたと言うことである。あまりのつらさに犯人を探そうとした。そうではなかったのだ、悪かったのは原発を止めることが出来なかった日本人全員である。
今でも日本は原発を続けている。経済のためである。今の日本は原発を廃止することも出来ないドンズマリに落ち込んでしまった経済状態である。災害列島の日本では原発は危ないと思っていても、止めるに止められない。老朽原発を修繕して使い続ける以外に経済が持たない。
再生可能エネルギーに転換できなかったこの10年の日本の責任は日本人全員にある。アベスガ政権の間違った停滞は、日本人全員が受け入れるほか無い。人任せにしていては何も変わることは無い。ダメだとは言え、日本はかろうじて議会制民主主義国であり、公正な選挙が行われているのだ。
富裕層の一票も、貧困層の1票も、等しく表現されている。上級国民の1票も、下級国民の1票も、等しく表現されている。日本人が自由な投票をした結果がアベスガ政権なのだ。何故こんなことになるのかと思うが、どうしようも無い迷路に落ち込んでいる。耐えがたい結果であるにしても、受け入れて行くしか無い。
選挙結果は反対したものもその責任を負わなければならない。石垣島でも市長が市民の賛否を問うこと無く自衛隊を誘致してしまった。3分の1以上の市民が住民投票を求めたが、それは最高裁までやらない市長を認めてしまった。
自分たちの島に、自衛隊基地が出来ることに対して、直接住民が意志を表現できない。そんな民主主義があるかと思うが、市長は確かに選挙で選ばれているのだ。市長の進める、石垣島開発の方が良いと考える市民の方が多いと言うことを認めるほか無い。
このままでは石垣島の素晴らしい自然は破壊されてしまうことだとしても、それでも、目先の経済が選挙の一番の争点なのだろう。その自衛隊基地の仮想敵国中国では、もう自然保護に方角が変わってきている。中国の南の島は珊瑚礁を守ることが、島を豊にするのだと、島民こぞって環境を守り、しかも島の経済が向上している。
民主主義など存在しない中国の方が、社会の永続性を模索し始めている。珊瑚礁を潰して軍事基地も作るが、動じに住民の暮らす島を美しい珊瑚の島にしようともしている。美しい島であれば、経済が潤うと政府が考えて推進している。それでも独裁の方が良いとは言えない。
石垣市行政は前勢岳西斜面の優良農地を国の補助金で、農地の造成しておきながら、さして時間が経たないうちに、その優良農地をユニマットのゴルフリゾートに転用しようとしている。これはどこかに利権が絡んでいるに違いない。今時ゴルフリゾートはおかしい。要するに農地転用が主目的である。
市長がどれほどおかしいとしてもそれを変えられるのは、住民の民主主義的な意志以外にない。自衛隊ミサイル基地の進め方をおかしいと思わない住民の方が多いいだろう。ユニマットのゴルフ場に何かおかしな利権が動いているだろうと想像する人の方が多いだろう。しかし、それが選挙に於いて示されない以上。苦しくとも仕方がないことである。おかしさに気付かないほど人間は愚かでは無い。そのおかしさを仕方がないものと受け入れているのだと思う。
このどうしようも無い苦しさが耐えがたいものになって身体の仲の悪いものを、湿疹にして表している。原発の時の湿疹では年齢的にも60歳を越え、体質が変わると言うことも感じた。あの頃のつらさは絵が描けないと言うことだった。どこかでは絵が描きたいのだけれど、筆を執ることが出来なくなった。放射能が怖くて絵が描けないというような感触だった。
それがいま又湿疹が始まった。日焼けから始まったように思うのだが、やはりコロナの不安が原因しているような気がしている。掻くとケロイド状に広がるので、かゆさを我慢している。コロナが治まれば治るだろうと思って我慢している。やはり、コロナパンディミィクも文明の転換期だと言うことなのだろう。
批判ばかりしている人間は、湿疹が出来ると東城先生の自然治癒の本には書かれている。その通りだと認めざる得ない。批判しないではいられないことが多すぎる。考えるまでもなく、自分だけが正しいはずは無い。自分は自分の出来ることに専念するほか無い。そして正しい1票を表現する。
人間はそう簡単には変われないものだが、余りにひどい湿疹が続けば、直るためには、何か自分の方が変わらないわけには行かなくなる。ヨブでは無いが、何が池何のか、どう変われば良いのかが分からないという罪なのだろう。それを分かるために湿疹が起きている。人を責めるものには湿疹が出来る。
原発事故後のつらさ。コロナ蔓延のつらさ。暮らしというものを直接脅かされるつらさ。自由が制限されてしまう。人間が社会の中に生きていると言うことを認識する。自分ではどうにも成らない物によって、生活を変えさせられる。このつらさが湿疹に出る。
食べ物に問題があるのだろうか。絵が違うと言うことなのだろうか。田んぼが違うと言うことなのだろうか。石垣島にいることが違うと言うことなのだろうか。正しい方角で生きていると考えていることじたいが違うと言うことなのだろうか。あるいは問題に気付くことが出来ないと言う事が問題なのだろうか。
いずれにしても湿疹に耐えているほか無い。前回もいつの間にか直った。そして絵を又描きたくなった。今は湿疹が出来ているが、絵を描きたいという気持ちは減るようでも無い。絵を描いていてもかゆのだが、ヨブのように神に湿疹の理由を尋ねることも無い。