裁判員とAI裁判
2025/04/24

裁判員とAI裁判は対極的な考え方になるのだろう。AI裁判を望むものとして、裁判員はお断りだ。素人に法の判断など任せられるとは思えない。裁判員を依頼されても断固お断りする。人を裁く能力も気力もない。裁判員制度は一日も早く廃止してもらいたいと願っている。
将棋の棋譜がユーチューブで無料公開される問題で、一審の地方裁判所では無罪、2審の高等裁判所では有罪の逆転判決が出た。私は見ているので、興味があった。ユーチューバーでも公開のための著作権費用を払い、公開しているアユムさんのような人もいる。私がアユムさんの将棋番組を見るのは、アユムさんの健全な精神を感じるからだ。話がそれたが、なぜ一審と2審で逆の判決が出るのだろうか。
それなら、1審はすべてAI裁判にした方がいい。AI裁判は何度やっても判決は変わらない。そのAI判断を元にして、人間の裁判官が覆せる根拠を広く国民に示せるならば、裁判結果を逆転させればいい。これならわかりやすい裁判になる。短時間の裁判が実現する。
近い将来裁判はAIに任せるべきだと思う。現状ではほど遠いのはAIに農業技術のことを尋ねても、見当違いがある。百に一つでも間違うようでは、裁判には使えない。まだ法律の解釈が、人間以上に出来るところまで到達していない。だまそうとしている犯罪者の嘘を見破る力も、まだまだらしい。
しかし、将棋ソフトが出現して10年もしないうちに人間を超えた。司法だって、その公正さと正確性で人間の判断を超えるのはそれほど先のこととは思えない。少なくとも人間より偏らないし、法律の解釈も正確になるはずだ。むしろ法律の矛盾点などまず、AIで整備し直す必要が出てくる。
今のところ裁判のAI化には法律関係の人に反対が多いようだ。あれこれ理由を挙げているが、どれもこれも遠からず解決されることばかりだ。あと10年の間に、せめて「一審はAI裁判」そして「裁かれるものが、裁判を人間がいいか、AIがいいか」を、選択できるようにしてもらいたい。
これは裁判員制度も同じである。現在は被告には選択権がない。勝手に裁判員裁判にしますと決められる。えん罪事件などで、裁判員が死刑判決を出して、死刑が執行されたとする。将来えん罪だと言うことが証明されたときに、国は賠償金を払うだろうが、一体裁判員はどういう責任をとれるのだろうか。
人を死刑に対して、人間に責任がとれるわけがない。そもそもそんな覚悟だってないのが普通の人だ。命のかかった裁かれる被告はたまったものではない。よくもまあ裁判員を引き受けるような人がいると、むしろ怒りすら覚える。せめて現状では十分に法律を学び、それなりの覚悟を持った人が担うべき仕事だろう。
こんな制度が出来たのは、司法に関わる人間の責任転嫁と、社会の司法への関心の薄さへの反発なのだろう。司法関係者の間にある、やっかいな仕事を押しつけられ、その上無視されていることへの怒りを感じる。そこで、裁判の責任は国民全員にあるという提示が裁判員制度ではないか。
同時にAI裁判が始まれば、現在の司法関係者の大半のものは職を失うことになる。これもAI裁判の問題点を司法関係者が強く指摘する傾向につながっている気がする。法解釈がAIには出来ない。などという主張が見られるが、どの口が言うのかと言いたい。今は出来ないだけだろう。
むしろ、裁判よりも警察の取り調べや、証拠の正確性や客観性が問題になるだろう。えん罪事件などの大半はあまりにずさんな証拠調べが根底にある。警察が証拠がないので、犯人を決めつけて証拠をねつ造することすら疑われている。
また、検察の事件認定も実におかしいところがある。世論に流されたり、政府を忖度したり、大いに揺らいでいる。そもそも検察官の任命がおかしいと感じることがある。政府の都合で司法の人事が行われゆがめられる。こんなことが起きないためのAI司法である。
警察は刑事事件の第一次的な捜査を行い,検察庁は起訴・不起訴を決定するための独自に捜査を行うことになっている。警察からの捜査記録などを確認するだけではなく,その内容が真実であるかどうかを,事件の当事者から必要に応じて直接事情を聞くなどして,積極的に自ら事件の真相解明を行うことになっている。
兵庫県知事の事件がある。内部告発者の、一方的処罰問題に対して、なぜか検察は動こうとしない。動かない間に、結局は内部告発者は自死された。そして、問題のある可能性の高い人間が、知事に再選されてしまった。こういうときにAI司法であれば、たちどころに起訴されていたのではないか。
権力者に対する忖度が検察で起きていたのではないか。立場で検察の動きが変わる。先日最高裁で、赤城さんの事件で、財務省の公文書の公開が決定された。なぜ今まで安倍晋三記念小学校事件にまつわる、文章が公開されなかったのかは、アベ氏への忖度としか思えない。なぜ森友学園に格安で国有地の払い下げが起きたのか。 森友学園の右翼教育への配慮とも考えられる。
日本には憲法裁判所がない。憲法違反を明確に判断しない仕組みなのだ。そのために、どう考えても憲法違反の法律が成立している。まず、AI裁判官に憲法違反の法律がどれほどあるかを、調査精査をお願いするところからだろう。
東京大学ではAI模擬裁判が行われた。人間裁判官以上にまともな判決だったと書かれていた。むしろAI模擬憲法裁判をやってみてほしい。憲法を逸脱した法令を調べさせる、憲法裁判所の模擬裁判を行ってもらいたい。AIがあまりのひどさに笑い出すことだろう。
以下がAI裁判の良さだそうだ。「全国一律の法的判断がなされ、裁判所や裁判官によるブレがなくなる」、「科学的に正しい事実の認定がなされる」、「嘘や不正確な証言・証拠の悪い影響がなくなる」、「公正中立な裁判となる」、「裁判にかかる費用が安くなる」、「裁判にかかる時間が短くなる」、「依頼した弁護士の能力の高低の影響を裁判が受けない」など、AI裁判に期待されている。
一方AIによる判断が難しい裁判事例は、過去にない判断である。将棋の著作権問題な土葬だろう。過去の事例のない法律の解釈では、自らの意見に基づいて判断しなければならないことがあるだろう。意見を持たないAIにどのように、公正な判断力を持たせるかが課題になるのだろう
AIはご都合主義の拡大解釈などありない。本来法律は解釈で運用の幅を広げてはならないものだ。いつの間にか、敵基地先制攻撃のミサイル配備が可能と憲法が解釈され、先制攻撃の出来る武力が配備されている。もし、先制攻撃ミサイルが必要と考えるならば、憲法を改定してからのことだ。3権分立が機能していない憲法違反の事例だろう。