石垣島には耕作放棄地は少ない。
石垣島の絵を毎日どこかで描いている。耕作放棄地はとても少ないと感じる。多くの方が水田が放棄されていると言われるのだが、実際には放棄されていると思われる水田はそう多くはない。年に一度しか作らない田んぼは多いから、今頃の作られていない田んぼを見て、放棄されていると思われる人も居るのかもしれない。
小田原の農地は毎年2%は減少している。その上に、耕作放棄地は耕作地の20%と言う状態である。石垣島の耕作放棄地の現状のデーターは今のところ新しいものが探せない。10年前までは耕作放棄地は増えていたようだ。最近は減っているのではないかと思われる。宮古島は現在のデーターで耕作放棄地2%と言う状態である。最近の石垣市は耕作放棄地が減少してきているとみていい。
畜産の総生産額が10年間でほぼ倍増している。しかも放牧されている牛が急速に増えている。放牧肉牛の良さが、石垣牛の良さとして評価されてきているのではなかろうか。肉の生産額が倍増すれば、当然の利用も倍増するはずである。
水田だったと思われるところが、サトウキビに変わっているという場所は多い。水田の赤土流出を防ぐ力を考えると、水田はできる限り水田として維持した方が、環境対策になる。石垣のお米の付加価値をどうやって付けるのか。たとえば、スノーケリングに来る人に水田の効用を伝える。そして、食べて貰う事での環境対策。
石垣島で農地をを探している人の経験談を読むと、放棄するとすぐにジャングルになってしてしまうので、見た目では元は農地だったことが分からなくなるらしい。そして、地域によっては農地は簡単には見つけられないようだ。
2018年の調査で宮古島の耕作放棄地の割合は2、1%と最も低いとある。2、1%と言うことはほぼ耕作されているという状態だろう。後継者がいるということと、基盤整備が進んだためとされている。石垣島でも北部以外はそれに近い状況だと思う。私が知るこの3年間の経過でも耕作放棄地は減少していると感じている。
荒れ地だったところが、畑になったという所や牧草地になったところに気づく。牛が放牧される場所になったところもある。石垣島でも開拓農民が拓いた、北部地区は放棄された農耕地なのかと見えるところもある。少しさみしい風景のところがある。
なぜ農業が盛んになっているかといえば、島全体が活性化しているからだろう。若い人達も島に仕事が増えているので、島に残る人が少し多くなったのかもしれない。島での求人が正社員で1000人近くはあるそうなので、島に戻って来れる環境ができているということになる。もちろん、流入人口がかなりある。
活性化の原因は観光客が増えていることに間違いが無い。観光客が増えるということに伴い、ホテルや飲食店が作られる。建設業の仕事が増える。波及効果で、島全体で仕事が増えているのだろう。公共事業中心の経済から変わろうとしている。農産物も島内消費が増えるから、活性化する。宮古島ほどではないにしても、石垣島は地価が上昇している。
島の産業の活性化が人口増加につながる。人口増加は自然増よりも、流入人口にあるとされている。私もその一人だが、新たに引っ越してくる人が結構居るということだろう。これだけ良い島なのだから、環境が整備された今の状況では当然のことだろう。そして、島の人口構成も日本の現状に比べれば、老人に偏っているというほどではない。
石垣島、宮古島の状況は日本全体傾向とは何かが違っている。日本は下り坂万歳状態であるが、石垣島にいるとどこか上昇気分がある。拝金まみれではない空気感がある。身体で生きて行くような健全なものが農業に感じられる。だから農家の方が堂々としている。
少なくとも住民は中国が攻撃してくるなどとは感じていないということだ。そうでなければ、人口増加が起こるという事がおかしいだろう。なぜ市長や一部の市会議員が、そんな妄想にとらわれてしまったのかが、不思議で仕方が無い。妄想ではないとすれば、何か他の要因があるのだろうか。ネトウヨの影響のような言動を聞くことがよくある。尖閣諸島があるから、そういう勢力の活動があるのだろうか。
新聞に「田んぼ貸してください。」こういう広告が出ている地域は全国でも珍しいのではないだろうか。田んぼを借りる農業法人も、人の募集をしている。農業法人でまずは働いて、農地を探しているという人も居るようだ。農業の求人も畜産関係ではかなりでている。アパートの空き室はすぐ埋まる感触である。まだまだ、アパートマンションは建設中が多い。
観光がブームに終わり、流れが止まるのではないかと、心配する人も多いようだが、今後10年間観光客が減少するようなことはない。石垣が平和な島であれば、必ず石垣島はアジアの交流拠点になる。ブームではなく、それだけの要素の魅力があるのだから心配はいらない。耕作放棄地はますますなくなるに違いない。
アジア全体の生活水準は経済の浮き沈みがあるとしても上昇する。アジアの海外旅行はさらに盛んになる。石垣島は近場の観光である。台湾から飛行機で来て、実感した。さらに盛んになるに違いない。
首里城が燃えて、沖縄本島では観光面で心配されている。石垣でも観光資源の開発整備は常に必要だろう。石垣島大浜にあるフルストバルグスクを整備するのは急務ではないだろうか。今のところ歴史的遺産が少ない感じがする。日本最古の骨は、石垣島に展示しなければダメだ。
石垣のグスクも平和のグスクとして、首里城のように礼樂を楽しむ場にするといいのでは。グスクの再現よりも、石垣の再現に力を入れた方がいい。あのグスクの空間が素晴らしいのだ。今帰仁グスクのようなものがいい。ゴルフは嫌いだが、ゴルフ場を作ることも観光のためには悪いことではない。ホテル反対も石垣では必ずあるが、作られるホテルの環境対策が重要なのだろう。厳しい条件を付けて、ホテルを受け入れる。
できれば石垣島北部に温泉を掘るのもいいのではなかろうか。北部に古い家並みの再現地区などがあるといいのだが。あるいは開拓時代の集落の復元でもいいのではないだろうか。赤瓦の古民家が取り壊されるときには、一定の地区指定をきめて、集めるようなことはできないものだろうか。
観光客が風景以外で、求めるものは島でとれる農産物であり、海産物である。石垣牛だけではない。お米だって、石垣のお米が食べたいものなのだ。石垣のお米まつわる、物語が必要なだけだ。観光に来た人には、カンムリワシの暮らす田んぼのお米がいいのだ。珊瑚を守るお米がいいのだ。魚沼産のコシヒカリよりも、物語のある石垣産のお米が食べたいものだ。
やはり、石垣に来れば、お酒は泡盛だということになる。泡盛はできれば、タイ産米を止めて、石垣のお米にすべきだ。今は安ければいいということでも、次の段階では石垣島の付加価値が重要になるだろう。石垣のあの田んぼでできたお米ですという物語が意味がある。ダイビングの夜は石垣の泡盛にして貰う。
石垣島の良さを再確認するところからではないだろうか。今観光客が何を求めているかではなく、未来の観光はどういうものになるかを考えるてゆく必要がある。私の想像では「のんびりとした、気の休まる空気だ」と思っている。これから世界は喧噪さをさらに増すだろう。静かな気持に慣れる場所。人間が自然と調和して暮らしている姿なのではないだろうか。カジノなど発想が古い。
なぜ、よそから来た分かりもしないものが、口を出すのかということがある。石垣島の方にすれば、余計なお世話なのかもしれないとは思う。が、自衛隊基地を誘致しようなどという人が市長だからである。基地の島になれば、観光業は必ず衰退する。そうなれば、耕作放棄地が増える。平和の空気がなければ、絵にならない島になる。
軍事基地の緊張感は石垣島ののどかな空気を台無しにする。のんびりしようと石垣島に来た人が、自分の国の方角に向けられたミサイル基地をどう感じるかである。嫌な思いがするに決まっているだろう。せっかくの休暇が台無しになるだろう。基地が必要だと思うのであれば、沢山ある無人島にして貰おうではないか。