田んぼの風の唄 をつくる。

   



「かかしになれるかな」

田んぼに風が吹き抜けている
土を起こす。汗に風に飛ばされる。
風になる。田んぼになる。かかしになれるかな。
チョウチョが肩に止まる。
雲は飛んでゆく
黙っているとそれでもいいという気になる。

田植えの足が泥に捕まる。
深すぎた田んぼ、浅すぎた田んぼ
風になる。田んぼになる。かかしになれるかな。
深い土はまだ冷たい。
植えた苗にもう涙が
今年の草はどんなものだろうか。

あぜ道のクローバーが足をぬらす。
白い花が踏んでもいいと言っている。
風になる。田んぼになる。かかしになれるかな。
せぎに泳ぐヤマメ
せぎに空が流れる
歌が歌いたくなり、そっとうたってみる。

稲穂の波に飲み込まれる。
そっと触ってみる。稲穂の重さ。
風になる。田んぼになる。かかしになれるかな。
田んぼから帰る夕日
明日も天気になりそうだ
息を吸うと稲穂の匂いがした

切り株にはひこばえが出た。
霜柱が立つ。レンゲが凍えている。
風になる。田んぼになる。かかしになる。
田んぼでうまれて、田んぼに帰る

種をまけば、芽は出る、

米が実るのは自然ということのようだ


「あしがら畝取り唄」

5俵までは捨てておけ
6俵の当たり前は苗作り
7俵取るのは、草取り、草取り
8俵望むは、土作り
9俵超えるは追肥、補肥
10俵決めるはコロガシばかり、
10俵上は、お天道様










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