石垣島自治会青年文化祭
石垣では青年会というものがある。昔風に言えば、青年団というものだろう。「いしゃなぎら青年会」とよぶらしい。この青年会の文化発表会があった。家から400メートルほどの所にある、「宮鳥御嶽」の前庭で行われた。石垣で文化と言えば、唄と踊りである。三線が鳴らされ八重山民謡が唄われて、伝統的な踊りが披露された。子供会や婦人会の参加もある。何故か婦人会というのは、年配の婦人のことで、なんとフラダンスだった。青年会は男だけの集まり。その婦人である若い婦人達は婦人会所属ではなく「ファムレー会」というものらしい。ファムレー会はむしろこの青年会の文化祭主たる踊り手である。ここで演じられた演目は先日テレビで見た、沖縄の伝統舞踊というテレビで見た舞台と極めて近かった。冒頭行われた高砂の舞は衣装や道具ものまでよく似ていた。賑やかで、艶やかで、なかなか見応えがあった。特に女性の演者は動きが本格的で、かなりの経験者揃いと思われる。
地謡の面々のレベルの高さは、特に三線の三名はただならぬレベルである。途中で臨機応変に弾き手が変わったりした。青年会には今年のトウラバーマ大会最優秀賞者もいると言うことだった。太鼓も、三線も踊り手の動きに合わせながらだから、すごい。最後はみるく節で終わったのだが、とても祭りの終わりを告げる哀愁があった。太鼓も高校生ぐらいの女性の演者だったが、軽く動きに合わせるところが見事だった。八重山の太鼓は軽く打つところに良さがある。三線も謡もそうなのだが、すべては舞台の踊りに従うものであるようだ。子供会の三線と、舞踊は岡山三線教室の生徒さん達と言うことだったが、相当厳しい練習をしているようだ。姿勢が素晴らしい。腰の収まりが良いし、背筋が通っている。八重山民謡になると、命がけというのがよく分かる。若い人たちが、本気で伝統に取り組んでいる。何故石垣にこういう文化が残っているのか。生な情熱のようなものに出会い、改めて考えさせられるところがあった。つまり、豊年祭がある以上田んぼは止められないという言葉のことだ。
新聞には石垣市がユネスコの「創造都市ネットワーク」への加盟が推薦されているとある。その理由が優れた文化や芸術を誇る都市ということ。石垣市の推薦は音楽部門である。古典民謡や舞踊などの伝統音楽の継承の上に、ビギンなどの生み出す新たなポピュラー音楽の融合。まさに、「いしゃなぎら青年会」の活動そのものではないだろうか。途中で会場の子供達を含めてみんなで、「パプリカ花が咲いたら」踊った。この歌は前からいいと思っていた。踊れる子はみんな前に来て、と呼びかけられた途端に二〇人くらいが前に集まり元気に踊った。実に気持ちの良い会場である。
最後はみんなでカチャーシーである。