小さな田んぼのイネ作り 苗代管理 保温折衷苗代 ③
川で浸種をして、冷蔵庫に保存してあった種を4月27日に播種した。16日が経過した。2、5葉期になっているから、順調だと思う。基本一週間で一枚の葉が出ると考えてよい。それより遅いという事は最高の苗になるための条件の何かが欠けている。6つの田んぼの共同苗代であるが、甲乙つけがたい成長である。いつも3葉期までは差が大きくは出ない。早生品種の方が成長が早い傾向がある。一葉目は葉というにはまだ頼りないものだ。2葉目の葉がしっかりした葉であれば、まずは第一段階は無事通り抜けたという事になる。しっかりしたというのはなぎなたのような葉が色濃く、大きく伸びて、弾力があること。この段階の苗は種籾の能力を表している。充実した種籾で播種されれば、良い苗になる。不十分な種籾であれば、徒長したような弱弱しい2葉になっているはずだ。今回、農協から購入した、もち米が良くない。苗床の最終結果として、10mに700グラム播くのが最善であることがわかる。欠ノ上田んぼは60mで、4.2キロが適正量。
2週目からは常時水がある状態にする。これは3週目からでもいいのだが、私は2週目からは水を張るようにしている。その時の外気の温度が上がり過ぎるようなら、早めに常時湛水にした方が安全である。この時初めて田んぼに水が溜まり、思わぬところで水漏れが起きているので、気お付けなければならない。湛水するまでは苗代に日に一度水を入れてはすぐ止めてしまう。苗に水やりをしているような管理をおこなう。朝一度水を張り、入水を止める。当然、一時間ほどで水は亡くなる。徐々入水量を増やしながら、2週目になれば常時水がある状態でも良くなる。水没したらイネは枯れてしまうので、水位は浅く地表を覆うように管理を注意深く行う。排水口に板を置いて、高さを調整する。水があることでトンネル内の温度はそれほどの高温にならない。今まで一番高い時で、35度であった。昼間30度まで気温が上がるような季節なので、そうした日は水位を高くしておき、流し水管理にすると安全である。
こちらは余った種をまいた、別の場所。捨てるくらいなら、こういう場所に播いてどうなるかを比較している。種はついつい不安で多く播きがちだ。多く播けばよい苗にはならない。この場所はアラオコシだけで種をまき、ビニールトンネルで覆ってある。こちらは代掻きはしてないので、湛水状態までは持って行けないので、水は辛いことになる。雑草もこの通り生えている。それでも、苗は湿気た地面であれば、充分成育をしてゆく。案外良い苗が出来るかもしれない。こういう実験栽培が面白い。もしかしたら何か発見があるかもしれない。こっちの方が良い苗になるはずだという人もいた。
苗代の播種量としては、箱苗で言えば20グラム播き以下にする。一本の苗の占める面積が広ければ広いほど良い苗にはなる。10グラム播きの面積が取れればその方が良い苗になる。いよいよ広げれば、ただし、3葉期までは播種量と苗の成長は関係がない。播く量が少ないと、少し不安な感じになるが、3葉期を過ぎると一気に成長してくる。3葉期からは根の力で生育を始める。
小田原の久野川から入れている水は、早朝の入水温度が14,7度。天候で大きく水温は変わるので、慣れるまでは毎日測定をした方がいい。水温の測定を続けるとその年の気候の傾向が見えてくる。その時の苗床の水が、17,8度。さむひだでも昼間はビニールトンネル内の水温が27度まで上がった。暖かい日では35度。この変化を水の力で緩和してやる。苗を作るという事は不安に満ちたものだ。。5週間で、5,5葉期になること。分げつが左右に2本ある苗が目標である。そんな苗が出来ればその年の稲は豊作になる道筋が付いたと言える。18日がビニールをとる。3週目という事になる。