石垣島の除湿対策
石垣島の家で快適に暮らすためには除湿対策である。今のところ上手くいっているようだ。慣れるまではびっくりするほどの湿度である。石垣空港に降りるとムゥーという湿度に絡みつかれる。空気が重たい。旅行で来ていたころはこの空気の熱帯的感触に石垣にきた、と思ったものだ。この状態で暮らすのはなかなかやっかいだと想像していた。何しろ水彩画を描きたいから石垣に来るのだ。パフィオペディルムが庭で栽培できる湿度があるのだ。紙が忽ちに黴てしまうだろう。周囲の環境が相当に湿気ている。この湿気は来てからも実感している。外で水彩画を描いて居て風があるのに水彩が乾かない日がある。これは水彩を描くうえで、私には良いことである。フランスで水彩で描くと、たちどころに渇いてゆくので、デュフィーのような水彩画が描ける。所が急速に乾くと色が良くない。ゆっくり乾いた方が色が良くなる。それを待つタイミングがあるのだが。そうだ、話は湿度対策である。山小屋に泊まると必ず嫌な湿気がある。なんとなくすべてがべたつく。裸足で歩けばどうしても床板がぺたべたする。湿気対策をできる限りしなければと考えた。
まずは、土台の土地を周囲よりもかさ上げした。土を入れて、60センチほど土盛りをした。雨が多いいから周囲より土地が低くて水が入り込むと湿気がたまる。そこで道路から家に入るに差し支えない範囲で周囲より地盤を上げた。みんなそう考えるようで新しい家は大体に周囲より高くできている。設計事務所の方は土を入れることはあまり賛成してくれなかったが、どうしてもということでお願いした。そして屋上からの排水である。これは家の低い方向の出口の方で地中にしみこむようにした。雨水は敷地内浸透が義務ということなのだが、敷地内の一番低いところにしみこむようにした。そうでなければ床下から湿気が上がることになる。当然床下は地層とビニールシートで切断して、湿気が上がらないようにする。床下は風が通り抜ける構造にする。床下ができるだけ乾いているようにしたい。
床下から風が入り、壁の中を通り、上に抜けなればならない。床下から壁を通り、天井にのぼり、屋根から外に抜ける換気である。小田原で額田さんがやられていた方式である。温度差と風で自然に抜けることは抜けるはずだが、これをさらに電気の換気扇で強制的やることにした。換気扇の音がうるさいので時間はタイマーで限定している。これは換気扇を変温式にしない失敗であった。三菱製のものだが音がうるさい。温度サーモの連動になっているのだが、これが20度で固定されている。石垣で作動すれば、ほぼ一年中止まることは無くなる。温度の変化ぐらいできるようにするのが製品としての義務だが、直してくれない。直らないのか直すきがないのかよくわからないが、仕方がない。人がいないときと寝ているときの時間換気することにした。寝室だと換気の音が聞こえない。
次は水彩画の倉庫は24時間除湿器の稼働である。連続運転は三菱1機種しかなくなってしまった。小田原ではもっと簡便な格安の除湿器を使っていたのだ。最近の機種は1週間ぐらいで自動停止になってしまう。これは最近の除湿器は衣類乾燥機になったからだ。これも意味が分からないが、別荘なので締め切って1か月などというときには24時間除湿が必要になる。除湿器は水を機械の中のタンクに貯める。これではどうしても忘れてしまう。そこで床下に配水管を作り、わずかずつ外へ流れ出るようにした。最後の一機種を2台購入できた。これは湿度対応で、湿度が乾くと電気が切れて、湿度が高くなると運転が始まる。この湿度計が正確とは思えない。何度も調整して、だんだん適切に乾いている状態を見つけた。こうして電気依存の暮らしで申し訳ないが、原発反対である。電気代は電気調理器も利用しているのだが、それでも1万円前後で収まっている。天窓が5個ある家なので、照明がいらないということがあるかもしれない。それに暗くなると寝てしまう。