消費税10%になる

   

以前から消費税は値上げした方が良いと考えきた。それは消費税が出来るときからの考えだ。政治というのは、結局のところお金の入りと出をチェックすることだ。と政治学の授業で習った。国の財政が支出の増大で危機的状況だから、消費税が必要。税金の配分に関しては大いに不満はあるが、それでも福祉的支出に関して増大してゆく時代に対応するためには、消費税の値上げも必要だと考える。誰だって税金が安いほど良いとは思うが、何でも運営するためには経費は掛かる。どういう形で集めるかという事なら、多様な集め方ほど良いと思う。公平な負担がどこにあるのかは難しいところだとは思うが、消費税という形の良いところもある。誰もが負担するという事がある。フランスに留学していたころも確か10%の消費税を取られていたと思う。ありとあらゆる人が消費税は払う。その公平もあると思う。いや低所得者の方が税負担が大きくなるという事もない訳ではない。消費税だけを見ればそうした側面はある。同時に所得税の累進課税の見直しなども行うべきなのだろう。相続税の課税強化なども必要であろう。

私が消費税が必要だと考えるもう一つの理由は、消費が抑制されるからだ。節約を政府が奨励しているという事だろう。もったいないこそ大切な倫理だ。政府は取りやすいところから採ればいいという程度の安易な発想なのだろうが。結果消費抑制になる。消費の大きい人ほど税負担が大きくなる。自給生活者は税負担が減少するという結果になる。今食料品は8%のまま据え置くと言われている。問題が小さい上に複雑。100万円年間消費する人は10万円税負担という事になる。結構な税負担になる。しかし自給的な暮らしをすれば、これが5万円くらいで抑えられるかもしれない。食糧については自給していれば、無税である。だから私の立場から言えば、消費税の増加は自給農業者の奨励という事ではないかと、アベ政権のめったにない善政なのかと思えてくる。年金生活者に負担増と言われる。年金生活者はお年寄りである。確かに大変だと思うが、自分の若いころに比べて、今の若い人たちの方がはるかに困難な状況にある。だからここは少し我慢するほかないのではないかと思っている。

食料品の軽減税率が複雑すぎると騒がれている。これは公明党の主張を無理やり取り入れた結果である。ごちゃごちゃになったのだ。軽減税率はもっと単純に行うべきである。お米を消費税0%にすればいいだけのことだ。他は一律10%にする。これで軽減税率の2%分に近くなる。貧乏人は米を食えではないが、お米は素晴らしい主食だ。子供たちの消費が極端に減少している。将来日本の主食がどうなるのか心配である。食糧の安全保障の観点からも、お米を大切にしなければならない。お米は農薬も、化学肥料もいらない、生産効率の良い素晴らしい主食作物である。自然環境の多様性にも貢献する。気候変動の緩和にもなる。防災対策にもなる。美しい日本の基本にもなる。地方消滅の歯止めにもなる。日本で唯一自給できる作物なのだから、これを守ることが国是であろう。

お米から消費税を無くせば、お米を食べる人も助かる。お米さえあれば、何とか暮らせるものだ。金沢での下宿生活の時代、お米でしのいだ。フランスでの貧乏暮らしも安いお米でしのいだ。お米を作る人はさらに助かる。稲作農家ほど将来性の苦しいものはない。お米が安くなり多く売れれば、稲作農家もやめないで済むかもしれない。大規模企業稲作であれば、奨励され補助金が出ている。しかし、そうした農業企業は、外国人労働者を導入しその給与に補助金があてられる。いやそのくらいなら、ベトナムで生産した方が良いという話が、現実化している。このままでは日本の水田は日本人が働く場ではなくなる。大規模化できない水田は無くなるのであろう。消費税の値上げが日本の水田を守ることに繋がるなら、少しは我慢できるのではなかろうか。

 

 

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