アベ政権高支持率の理由
アベ政権は高い支持率を維持している。世論調査が正しいとすれば、日本人が変わったという事だろう。その理由を考えてみたい。たぶん今までもそのことは何度も考えてみては見たと思う。そしてだんだん良くない結論に向った手来た。世論調査の個別案件としては、国民の反対が極めて強い。カジノ法案、モリかけ問題。参議院の6名の増員。多くの国民がおかしいとは考えている。それを見ると日本人が判断力を失ったという事ではない。判断はできる。アベ政権の政策もおかしなものも多数ある。しかし、アベ政権の支持は継続する。アベ政権の何が支持の原因であるかだ。世界経済の不安定化である。これを乗り切れる期待がアベ政権に集まっているのではないか。結局のところ何時の時代も暮らし向きである。カジノを良いことだとは大半の人は思わないが、景気対策と言われると、止む得ない気持ちにななってしまうのではないか。賭博が何故景気対策になるのかという、明確な構想は示されてはいないのだが、理由を経済だという事に世論が弱いという事を上手く操作している。
このカジノを景気対策だ。地域活性化だという根拠のない期待感に日本人がしがみ付くようになったという事ではないか。これはトランプ現象である。トランプのエゲツナイ経済政策をおかしいというアメリカ人は多いようだが、結局のところトランプは支持されている。アベノミクスを成功したというのが、アベ政権の宣伝である。ところが明確に失敗という判断をしている人が多い。では、この間アベノミクスよりましな経済政策があったのかと言われると、良く分からない。他をやってみるわけにはいかないのだから、成功しているというアベ政権の言い草をなんとなく受け入れている人が多いのではないか。若い人に支持が多いというのも、アベ政権のアベノミクス経済以外体験がないのだから、判断が出来ないのだろう。私は明確に失敗だと考えている。
具体的な目標数値である。それが達成できないという事はかじ取りの失敗である。例えば物価目標は2%の上昇であった。誰が考えても達成など無理であったし、目標の先延ばしを続けているが、いまだ達成の可能性もない。しかし、アベノミクスは成功と言い続けている。そして、国民もかなりの人がそれを認めている。あるいは期待感を持って見守っているのだろう。だから日銀の黒田氏は2%が達成できなければやめるとまで公言しておきながら、達成できないにもかかわらず、批判が起き交代させろという意見が出てこない。約束は破られたが、他のやりようがあったとも思えないという受け入れ方なのだろう。それは食糧自給率にもある。食糧自給率は相変わらず30%台である。国の安全保障を考えれば、危機的な状況である。トランプではないが、国の安全保障を根拠に食糧輸入の制限をしても良い位な状況である。しかし、その様な政策転換が言われることもない。やりようがあったのだろうかという、アベ政権受け入れになっている。
こうしてみると、政策の成功や失敗でアベ政権の支持者が減らない訳ではないようだ。世界中で人間の変質が起き始めていると考えている。拝金主義の蔓延である。これは資本主義経済の末期的状況に世界が陥いっているという事なのではないか。資本主義的競争のタガが外れたのである。共産圏、あるいは社会主義圏というものが存在した時代ならば、資本主義陣営の協調が必要であった。ところが新たに資本主義に加わった中国やロシアは国家資本主義という形で、旧資本主義陣営に対抗をしている。その為に資本主義陣営というものが目先の拝金主義に進んだ。理想をなど要っている場合かという、一国主義が世界を覆い始めた。アベ政権は隷属型一国主義なのだろう。生活の為なのだから、だいたいの政策はおかしいとは思うが、競争をしのぐためには受け入れるしかないという辺りが支持者の考えに感じる。他のやり方があるなら示してみろという事になる。他のやり方はあるのだ。経済というものはそういうものである。あるのだけれどもアベ政権の操作で、アベノミクス以外には無いと思いこまされている。ここが付き壊されない限り、アベ政権の支持は続くのだろう。
そんなことを主張するなら示してみろという声が聞こえるようだ。そうだ示さなければならない。具体的に私であれば、農業政策において、自給率の上昇方法を示す必要がある。何度も書いたつもりだが、また書きたいと思う。食糧輸出が増加していると示される。食糧の競争である。増えているのはイチゴや牛肉だそうだ。これが強調されて、日本の米や麦が衰退している。安倍支持者はそれでいいと、背に腹は代えられないというのだろう。問題はここにある。軍事的に身を固める前に、やるべき地道な国づくりがある。田んぼが減少するという事が、気候変動にまで影響する。又続きは改めて書きたい。