東京電力は非道企業だ。

   

東京電力は非道企業だ。自分が加害者であることをすでに忘れている。自分が起こした日本歴史上最悪の原発事故をすでに忘れている。加害者はまず罪を償う必要がある。そのことが次の出発点になるのだ。その罪が裁判でも問われないために、まるで罪を犯した意識がない。いまや加害者であることすら忘れてしまった。被害者が被害を証明しなければならないのではない。加害者が被害の状況を調査して賠償するのが当然のことである。東電に賠償請求をする人間を、ゆすりでもしている人間のように扱っている。後に載せる文章にその一端が現れている。もう忘れてしまいたいことだが、忘れてしまうのではNPO法人としての役割が果たせない。せめてこの非道を世間に知らせてゆかねばならない。

あしがら農の会では、福島原発事故による放射能汚染の賠償請求を続けている。先日、突然東京電力の方が2人で見えて、現状を話し合った。以下ががその回答である。これが加害者としての東京電力の正式な主張である。まったく信じがたいものだ。農の会は被害者である。小田原のお茶は放射能事故で出荷停止になったのである。そして出来たお茶を悲しい思いで廃棄をした。お茶畑では必死に除染作業をした。それはお茶に限らず、すべての農産物が影響を受けた。有機農産物を生産する会の特殊性もあり、存亡の危機を迎えた。多くの仲間が去った。残ったもので放射能の測定活動をした。それらのすべての費用は領収書がないから賠償できないという見解だ。自分でやる除染作業に、領収書がある訳がない。この東電のひどい回答は、被害者をさらに痛めつけるものだ。余りの理不尽に気力が萎える。この理不尽だけは、せめて世間に伝えなければならない。原子力事故とは、こういう事なのだ。一切が嘘で塗り固めあれほどの事故を起こし、その被害者に対してこれほど無慈悲な仕打ちを平気でしているのだ。

会員に対する領収書が必要と書かれているが、NPOの農の会では会員と言っても自分達の為の畑である。お金は必要経費を人数割して分担しているのだ。わざわざ領収書を出す必要もないし、利益を上げている訳ではないから領収書という発想がない。今も昔も参加費に対して領収書を発行したことはない。こうした状況を一切無視するのが、加害者東電の一方的な発想である。この一面的な思考方法が、原発事故を起こした原因である。もし原発事故は津波で起きたのではない。もし自然災害だというなら、また起きるという事になる。放射能検査はTウオッチと共同して行った。費用が発生したものもあれば、発生していないものもある。主たるものはその測定にかかった諸々の計測する手間暇が大変だったのだ。例えば、水に含まれる放射能を測定した。これには設備が必要で、あれこれ試行錯誤して器具を作り測定をした。1週間もかけて、毎日通って、測定した。その費用はどう見ればいいのだろうか。その費やした労力は東電の原発事故で生じたことではないというのか。

茶畑の除染費用に至っては、信じられないほどの大変な労力であった。何十人もの人が、放射能の不安の中、表土を剥ぎ、畑の一部に山を作った。お茶に出る汚染を減らすためにお茶の木を大きく刈り込んだ。その結果お茶の木はしばらく回復できなかった。放射能を下げるために自ら行った作業である。これも領収書がないから賠償しないというのだ。この被害は一体なんで起きたというのだ。これほど冷たい、加害者がいるだろうか。東電をますます許せないものに感じる。この東京電力という企業のひどい姿を世間に伝えてゆかなければならない。こん回の回答はその意味では大きな成果である。賠償金がもしもらえたら、これは福島の被害者に寄付しようと考えている。こうなったら東京電力の賠償に対する、姿勢をとことん公表してゆくことこそ、NPO組織としての姿勢かもしれない。放射能汚染で農業が出来なくなり、遠くに移住した仲間をおもうと、悔しさがふつふつと湧いてくる。

 

 

あしがら農の会

 笹村様

 大変ご迷惑をお掛けしております。

 東京電力ホールディングス(株)

 福島原子力補償相談室

 中島でございます。

 先日は、お約束も無しに訪問させていただきましたが、ご対応

 いただきましてありがとうございました。

 あしがら農の会様より平成26年3月にご請求いただきました

 「請求書類」と「ご請求に関する弊社からのお知らせ」を昨日

 郵送させていただきました。

  ご確認いただいている事と思います。

 「賠償金のご請求に関するお知らせ:結果通知書(別紙)」の

 通り、ご請求いただきました

  ①出荷制限指示等及び風評被害

  ②検査費用

  ③除染費用 他

 につきましては、証憑不足等により賠償金をお支払できないとい

 う結論に至っております。

 具体的に必要な証憑類を下記にお示しさせていただきます。

 弊社といたしましては、以下の証憑類を確認させていただき賠償金

 お支払いの判断をさせていただきます。

  ①出荷制限指示等及び風評被害

   ・会員の方より徴収した会費の領収書(事故前と事故後)

  ②検査費用

   ・検査結果表

   ・検査に伴った出金およびその内容を確認できる書類

     領収書、請求書および金融機関の振込明細

   ・検査実施の経緯が分かる書類

     取引先の検査要請文書 等

  ③除染費用

   ・支払事実がわかる書類

     領収書や出金およびその内容を確認できる書類

   ・除染内容がわかる書類

     作業報告書

     作業内容を行った事業者等からの請求書・見積書

     除染関係の社内報告資料 等

   ・除染前後の空間線量がわかる書類

   ・除染対象となる事業用施設等の所在地および敷地面積がわかる書類

     不動産登記簿 等

 

 以上でございます。

 ご不明な点がございましたら、ご連絡いただきますようお願い申し

 上げます。

東京電力ホールディングス株式会社

本社福島本部 福島原子力補償相談室

補償相談ユニット広域補償相談センター

相談第一グループ

中島 栄一

 

 

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