花菖蒲が咲いている

   

上の畑に行く道の脇に菖蒲が咲いている。石が70センチほどの幅でいメートルから2メートルの高さに斜めに積み上げられている。畑と家の境の石垣のようなものだ。沖縄にある暴風を避ける石垣のようで悪くない。石垣の上に菖蒲を5年ほど前に植えたが、どんどん広がった。雑草に負けない強さがある。石垣の側面にもしがみ付くように花を咲かせている。根元にはイチゴも植えてある。菖蒲の花が咲くころに毎年イチゴが少しだけ実る。イチゴは菖蒲に隠れて見つからない状態なのだが、枯れることはない。実が赤くなってくるので、陰にある赤い実を見つけることができる。イチゴを植えて10年になる。10株ぐらいに増えているようだ。せいぜい20個か、30個ほど食べるだけだ。しかも売っている実ほど立派なものでもない。いかにも私の自給の姿なので、食べる前に写真を撮ることにした。イチゴを少しも食べないというのも残念なだけなのだ。こうして探すといくらかは食べることができるというくらいがちょうどいい。このちょっぴりのイチゴだからこそうれしい。

 

5月に入って、種まきを続けている。トオモロコシ、こかぶ、大根、ハト麦、いんげん、黒小豆、花豆、ケール。キューリ。もうだいぶ芽生えている。ハト麦は上の畑いっぱいに撒いたが、ハト麦なら、ハクビシンやタヌキも食べないと思っているのだが、どうだろうか。下の畑のほとんどを大麦が占めている。大麦の長いノゲは花のように美しい。大麦の畑は一度の草取りもしていないが、いつの間にか大麦が草を覆っている。こういう作りが好きだ。雑草自体を取り除くのではなく、上手くコントロールして、麦の邪魔にならないようにする。手を入れないから楽をしているという訳でもない。案外あれこれ気を使って眺めている。4本ほど、からしなが大きくなって花が咲いている。抜いてしまえばいいのだが、せっかくのことだからそのままにしている。花があった方がなかなかいいと思ってしまう。あまりに整備されているのは好きではない。案外によくできた大麦は40キロはあるだろう。こんなにあっても困る。困るのだけど、冬の間畑が開いているのは良くないのでつい蒔いてしまった。

 

下の方から、2輪だけ違う花が咲いている。これはせっかくだから違う種類も植えてみようと考えて植えたものだ。しかし、旺盛な前からある種類に押されてしまい、がけ側にこぼれ落ちそうに咲いているだけになった。もう一種類ほとんど黒い花というものも植えたのだが、今年は一輪も咲かないようだ。奥にあるのはモミジである。モミジが3本あって、石垣の上に種が落ちて自然に生えてきたものである。生えてきてしまうとなかなか切れない。こんな石の上に芽生えてしまったモミジを取り除く気になれない。かわいそうというよりどうなるのだろうと考えてしまう。自然に出てきたものを生かしたいとも思う。これだから庭もひどい状態になってしまうのだが、そのひどさが良いというところもある。2メートルほどの高さの石垣だから、モミジが石を崩してしまいそうな気もして、少し怖いのだが今のところ何とか維持している。モミジの太さは15センチほどにもなった。

 

 - 自給