醤油絞り

   

醤油を絞っているところ。2015年の2月ごろ仕込んだもの。これでちょうど半分の量だと思う。4リットルほど醤油が出来た。この年は少し多く仕込んだのかもしれない。16年、17年と仕込まれたものが床下で熟成を続けている。長年醤油は自給である。味噌よりも醤油の方が市販品とは異うものになる。何かの機会に刺身を食べて普通の醤油に出会うと、うちの醤油を使いたいものだとつい思ってしまう。材料は大豆と小麦か大麦である。どちらも自給の会で作っている。醤油の仕込み方法は何度か書いたと思うので、そちらを参考にしてもらいたい。普通は醤油絞りは布袋に入れて、圧力を加えて、搾りかすが硬い板状態になるまで絞るらしい。その方式で絞っていたこともあった。準備が大変だ。道具の取り出しも、しまうのも大変な作業になった。もう少し簡単なやり方はないかと考えたのが、このステンレスざる方式である。熟成した醤油だねをただ、ステンレスざるの上に一日入れて置くだけだ。下にはやはりステンレスの鍋を置いておく。丸一日はこのままおく。結構澄んだ醤油が絞れる。ステンレスの網目は案外に醤油だねの材料を通さない。

液体部分だけが下に落ちてくる。落ちてきた醤油はガラス瓶に入れておく。このとき出来るだけ空気に触れないようにする。一升瓶に入れれば上の細いところまで醤油を一杯に入れる。空気に触れる味が落ちる気がする。

これが仕込んであった。醤油だね。3重のビニールに入っていた。空気を抜いてゴム輪でしっかりと止めておく。1年に3回開けて全体をよく掻き回す。3つ仕込まれた樽があるので、やるときは3つともやる。縁の下の貯蔵庫である。ここには味噌も3年分ある。おおよそ年三回味噌も取り出す。味噌の取り出しに併せて醤油も攪拌する。ここには柿酢も貯蔵されている。そのほか柿渋も寝かせてある。縁の下が割合高い家で人が屈んではいることができる。ここに炭がたくさん入れられている。床下が湿気るのでトラック1杯の炭を入れたのだそうだ。今は裏からの水の方を処理したので、それほど湿気る場所ではなくなった。我が家では一番発酵保存の環境に向いていると思われる場所だ。縁の下には保存食品を仕舞い込む。最近はそれでもこの床下に熱がこもるようになるようだ。そう良い環境とまでは言えなくなってきている。温暖化は我が家の床下まで来ている。

これは絞った残りの醤油カスである。醤油麹と呼んでいる。ちょうど味噌ぐらいの状態である。絞り切ればあと500ccは絞れる状態。醤油麹には使い道がいろいろある。醤油麹を使えばいいので布袋による醤油絞りをやめた。肉や魚を漬け込むと素晴らしい味に仕上がる。魚なら、3時間ほど。塗っておく。みりんや酒を混ぜても良い。付け込んだ魚を焼くと香ばしさが実に良い。ぶりが特に美味しい。漬け込む際にみりんを加えても良い。肉の場合は6時間ぐらい。場合によっては1日。一日漬け込んでおいた肉でシチューなどを作ると絶妙なものになる。魚も湯豆腐に入れる前に付け込んでおくと、良い味付けになる。左の鍋には現在、ハヤトウリが付け込んである。奈良漬けに近いようなものになる。これは1週間ほどつける。好みで長くしても良い。確かに味噌漬けに近いのだが、醤油漬けなのだろう。この袋はやはり、縁の下に入れておく。ついでに写っているかぼちゃの隣にあるのが、今年の柿酢である。どれも縁の下の貯蔵庫にしまわなければならない。

ハヤトウリの醤油麹漬け。

奈良漬けのようでもあるが、奈良漬けの様なアルコール発酵的な味はしない。醤油の味わいと、ほんのりとした甘い香りがする。塩分の強いものになる。長持ちはするが、たくさんは食べれない。これは4日目の状態。2週間は漬け込んで保存食にしたい。

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