田植え7週目の欠ノ上田んぼ
台風11号に伴う大雨で、濁流と化した久野川
欠ノ上田んぼは久野川に接してある。2012年6月20日の台風の大雨で河岸の石積みが崩壊し、大きくえぐられたことがある。それ以来、大雨が降り続くと心配になる。今は入水口の水門を下げてあるが、それでも周辺に降った雨が田んぼの水路に流れ込んで、吐ききれない水となっている。この水が田んぼの下にもぐりこんで、地下トンネルになっているようだ。昨年はそのトンネルに田んぼが崩落して、田んぼの真ん中に大きな穴が開いた。結局完全に治すというようなことはできないから、だましだまし、手入れをしながら田んぼの耕作を続けている。たぶんこうした谷戸田はどこもそういう手入れを続けることが当たり前のことなのだ。そういうことが今頃になって分かった。冬の間に土木作業を行い田んぼの整備をするのが、普通のことである。台風が直撃でなかったから、本当にありがたい。と言っても四国のほうで大きな被害のようだから、日本は常にこうした災害の中に暮らしてゆく覚悟が必要だ。日本列島に住み着いた祖先はこの土地の素晴らしさに離れがたかったのだろう。
11番から、上流方向を見ているが、田んぼは何事もないかのように静かである。
今年は、どことなく生育が遅れている。分げつが取れるのが遅れている。全体にわずかに硬さが足りない。天候のせいもあるが、田んぼの地力の問題もある気がしている。2年前に稲が倒れてから、どうしても肥料を控えめにしている。それが今年になって、分げつ不足になって表れたのではないかという、不安である。しかし、稲は部分的には緑を増してきた。この緑が増してくれば、分げつもそろう可能性が出てきている。そこへ来て大雨だから、これで梅雨明けとなってもらいたいところだ。このあたりが、地力で作る稲作の難しいところである。一部昨年より良い田んぼがある。それは緑肥を冬場育てた田んぼである。緑肥というものの大切さを考え始めているが、これも、収穫が終わってみないと見えないとこだろう。つまり、今遅れていてもまだこれから良くなる可能性がないわけではない。
3番の苗床だった田んぼから下の段の方向を見ている。
3番は苗床だったのだから、昨年より肥料分はあるはずである。確かに今のところ昨年より良い。良いといって水面が見えるあたりが、水口でやはり生育が遅れている。昨年より、3番が良くなって、倒れないのであれば、苗床に入れた程度堆肥をどの田んぼにも入れることは、田んぼにとって可能だということになる。画面が暗いのは緑が濃いのでなく。また雨が来たところだ。結局この雨は、昨日はかなり降ったことになる。
2番から下を見ている。少し見えているのが5番。
この2番、5番は緑肥を蒔いた田んぼだ。緑肥は大麦と、ヘヤリーベッチを混ぜて蒔いた。よく茂った。ハンマーモアーで砕いて、それからトラックターで漉き込んだ。一部にはかなりの生の麦藁もあったのだが、なんの問題もないものだ。5番など、シロカキもできず、アラオコシして水を入れて、田植えを行った。それなのに一番分げつが取れている。これは大いに参考になる。シロカキはあまりしないほうがいいという可能性と。腐植質はできる限り田んぼに入れたほうがいいということ。この手前に水路がある。この水路から、2番に水が入り込んでいる。それもあって、このあたりは生育が遅れる。暑くなればこの差はたいていは分からなくなる。
この1週間で確実に生育したことが分かる。葉の厚さが加わった。幅の広い葉が出た。色は黄色っぽさが抜けて緑が増した。畔の草は刈っても刈っても出てくる。年5回と言うが、この調子で行くと、年7回になりそうだ。