自民党文化芸術懇話会とは何か
自民党の文化芸術懇話会というものは、報道弾圧を話し合っているらしい。どうも不思議な名前の集まりである。設立趣意書によると、「心を打つ『政策芸術』を立案し実行する知恵と力を習得する」ことが会の目的だという。つまりナチの行った、芸術や文化を、国の政治に利用する方法を研究することが主眼である。ついに自民党はここまで来てしまったのだ。この集まりを調べてゆくと、安倍氏の青年親衛隊のようなものに見えてきた。官房副長官の加藤氏まで参加している。そして加藤氏はこの集まりが百田氏の講演で有意義なものであったと国会で見解を述べている。自民党の安倍内閣もいよいよ馬脚を現してきたというところではないか。自民党では安倍氏に何も言えなくなっている。静かに、しずかに独裁政権を作り上げているところだろう。意見を述べることができるのは、辞めた長老たちである。若い人たちは、上ばかり伺い首をのばして、忠誠を誓っている人ばかりである。
その忠誠心が、行き過ぎたのが今回の報道弾圧の話であろう。だいたい、暴言大王の百田氏をNHKの委員にしたのは、安倍氏の了解があってのことだろう。そして、今回の青年局の講演である。自民党の文化芸術懇話会とは一体どういうものなのだろうか。作家で右翼の百田氏を招いた勉強会を行う意味があるのだろうか。加藤勝信官房副長官、萩生田光一党総裁特別補佐ら首相側近が出席していた。加藤氏は勉強会への出席を認めた上で、「作家としての立場でお話をされていた。我々としてもそうした視点からのご意見、大変拝聴に値するなと思った」と感想を語っている。懇話会のメンバーには安倍晋三首相(党総裁)に近い議員も多く、9月の総裁選を前に無投票再選の機運を高める「首相の応援団」(若手議員)と位置づけられている。(産経新聞)
どうもこの文化芸術懇話会というものは、「日本会議およびその事務局たる日本青年協議会の代弁機関」という側面を有しているとうことが書かれている。日本会議、またはその前身とされる日本青年協議会というものは、現会長でもある椛島有三氏を有する右翼組織である。日本会議という組織があり、美しい日本の憲法を作る国民の会というものがある。三名の共同代表とは、三好達氏元最高裁判所長官は日本会議の代表であり、田久保忠衛氏杏林大学名誉教授は日本会議の代表委員でもある。そしていつもの右翼元キャスター櫻井よしこ氏。事務局長をつとめるのが、日本会議の事務総長である椛島有三である。日本会議というものが、今回の文化芸術懇話会と縁が深い。要するに安倍氏のお友達たちが作る、右翼の人たちの会と考えていいようだ。テレビをどう利用するかを、報道をどうすればいいなりにできるか。そういうことを相談する集まりと考えるの自然であろう。
今回安保法制を無理に進めれば、憲法改定の見込みが立たなくなるだろう。そのために今の安倍氏は民主主義的な静かな顔をしているところである。十分に議論するというのは、本当に国民に分かり易く説明するというのでなく、表面的には議会制民主主義を尊重しているのだという、形を作りたいということにんすぎない。数を頼んで、法案を通したいだけなのだ。それがアメリカからの要請であり、財界からの要請であり、安倍氏のアメリカや財界への忠誠心の表明である。それを進めるにはテレビやマスコミをうまく利用しなければならない。その研究をしてゆこうというのが、この「文化芸術懇談会」であって、だから、テレビ番組制作にかかわってきた、安倍氏の友人である百田氏を講師として招いたのである。自民党内部では、深刻な右傾化が起こっている。そして、気付いた時には、独裁政権になっている。という静かな革命を考えているのだ。だからこそ、民主主義をやたら強調しているのだ。本音が出ると、大西議員のように支離滅裂な考え示すことになる。