水彩人の事務所担当

   

つい先日、水彩人の総会があった。38人が集まった。北海道や石川県と遠くから多くの人が集まった。私は事務所担当になった。その前に同人会があり、そこで内定していたことである。そこで水彩人のホームページの中に水彩人通信と言う連絡ブログを作った。水彩人は絵の研究の為の集まりから始まった。研究し発表すると言う事で、グループ展を行った。互いの絵の切磋琢磨が会の目的だった。ところが、自分達の意図に反して、と言ったらおかしいが、都美術館で開催する公募展になった。公募展になって、仲間が増えたのだから、喜ぶべきことではある。全体で160人位の会になった。同人が18名。会員が29名。一般応募者が昨年は123名。公募展になった以上社会的な責任も生じてきている。仲間内での適当な運営で進めると言う訳には行かなくなっている。そこで、事務所に立候補してやれる事はやろうと決意した。

水彩人は今分岐点にあると考えている。普通の公募展の小さい規模の物になってゆくか、あるいは本当に水彩画を研究する組織になれるかである。絵を描く人間と言うのは、私も自覚があるのだが、独善的なものだ。自己中心的な人達が集まっているのだから、研究を続けるという事は簡単ではない。学びたいと言うより教えたいと言う人ばかりである。自己満足してしまい、絵が停滞衰退に陥ると言う当たりが、普通の絵描きの姿である。職人を目指すなら自分に閉じこもっていても良いが、作品を作るのであるから、開いた研究の場が必要である。それは私絵画であっても同じ事である。一般に公募団体と言うものは、身分制度の様な物が支配している。会の幹部の絵を、良くないなぞ正面から批評すれば、立場がおかしくなる。私は前の会でそういう経験をしたが、それでも気付いた事は言わなければならないという考えなのだ。そういう、学ぶ合うための会をやりたいと言うのが水彩人の出発点だった。

この所、絵を描き続けている。丸で20代の頃に戻ったようだ。何故か次から次へと頻繁に描きたくなる。毎日描いていてあらためて感じたのだが、自分の絵には壁の様な物があり、そこを突破できていないでいる、という感じだ。壁と言うのは自分に近づく事を阻む壁だ。自分の内部に入ろうとする感じが出てくる事はあるのだが、それを、絵という概念と言うか、身に付いてしまった絵の常識と言うようなものだと思うのだが、何かが阻んでいる。一方に円を描いて、禅の境地だと言うような思い込みもある。だから時に適当になる。なんだって絵だと言うような気分だ。絵画的な思い込み、何でも良いんだという思い込み。こういうものが壁になり、自分が見ているという事実に向かい会えないようだ。だから見ているという事に近付けないがために、画面と言う絵空事の上で、それなりの物を作り上げようとしている。こういう穴倉の中での作業は、ときに陽にさらさなければ腐ってゆく。

それが水彩人だと思っている。水彩人での研究が、こうした自分の壁の突破法なのだと思っている。信頼できる絵の仲間がいるかどうか。それは自分を王様にしないという事だ。水彩人をそういう研究会的公募団体にしたい。良くある公募団体をいまさら作るような事には興味がない。水彩画を描くと言う事が、それぞれにとってどういうものであるのかを、見つめ直す事のできる場にしたい。なかなか難しい事だ。しかし、水彩人の仲間を信じて、やれるところまでやってみようと思っている。

 

――事務所の方針――                   2月24日

1、グループ展の事務所から、公募展の事務所へ転換する。システムが明確で、透明性があり、将来誰にでもできる形態を目標にする。

2、会の運営は会員、同人の隔たりなく、全員で取り組む。

3、予算案、事業計画を充分に検討し、それに沿って、運営を行う。

4、繰越金は1回の本展が行えることを目標にしたい。

5、事務所経費は郵送、通信費を中心に50万掛かっていたものを、総収入の10%は超えないようにしたい。

6、各部門の仕事は担当制にして、各担当が総会で決めた方針に従い、予算、計画、運営、実施、会計、総括まですべてを行う。

7、会計は、会計だけでなく、財務的な役割を担ってもらいたい。

8、事務所業務は出来うる限り、民主的な精神で取り組み、誰でも、いつでも、疑問点が聞けるような、開かれた事務所を努力する。

9、メールで済む連絡はメールで行います。メールがある人は、事務所に名前を入れたメールを必ず入れて下さい。

事務所担当 笹村 出

〒250-0055神奈川県小田原市久野3545 ℡.fax0465-32-6733

 メールアドレスsasamura.ailand@nifty.com

 

 

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