沖縄の三線と紅型

   

沖縄好きになって、沖縄の布と言うものを勉強している。勿論知識が浅いので充分には分からないのだが、沖縄では古くから織物や染色が発達していたようだ。1317年宮古島から中国に流れ着いた14人の内5人が青黄の服、9人が白の服を着ていたとされる。これをわざわざ中国で記録したということは、普通の人達が、織った布、染色された布を着ていたという事が、文明人が沖合の島に入るらしいという事で驚き、重要な情報として中央政府に報告として挙げられたのではなかろうか。当時の沖縄周辺は、日本と中国の影響下にあるが、それぞれの島が独立した文化を持つ国として存在していた。独立国であると言っても、現在の国家とはまた違うイメージであろう。琉球は東南アジアとも交流が深く、タイの織物が献上されたという事も記録されている。海洋民族的要素が強く、広く交易をしていた暮らしなのだろう。当然日本との関係が深く、紅型が平安の日本の織物の影響が深いとされている。

沖縄には伝統的音楽がある。現代でも新たな民謡が生まれる土地柄。あのブームの島歌の前にも、歌謡曲の世界では、沖縄物として色々あったわけだ。妙な空気の沖縄歌謡曲である。確か、田端義夫さんが歌っていたのを覚えているが、「19の春」という歌が沖縄で生まれるまでの話は、いかにもにも日本と沖縄の関係を表していて面白い。明治のラッパ節と言う物が元になり、九州で炭鉱労働者が歌っていたものを、沖縄からの出稼ぎ労働者が持ち帰る。そして、戦前の沖縄で、現在の唄が出来る。それが、もう一度日本全土で大流行する。驚愕を受けたのは、ネーネーズの登場だった。こんな生きた歌があったのかと思った。ともかくハーモニーがすごい。どうも沖縄には生きた歌があるらしいと想像した。リンケンバンドもすごい。あのエイサーという踊りがまた良い。しかも、エイサーは派手なアレンジが行われ、日本全国に流行を広げたともいえる。

沖縄の音楽から、興味は三線に進んだ。もともと樹木と言うか、木材が好きなのだ。三線は黒檀の棹で作られているものが多いようだ。勿論どんな材質の棹であっても構わないようだが、硬い木が基本だ。黒檀はバイオリンのネック部分でも使われる。弦を強く張り、音を響かせると言う事で、硬い材質が必要なのだろう。紫檀、花梨、鉄刀木(タガヤサン)、ユシ木(イスノキ、ユスノキ)、パンキライ、さくら、樫、カリンなど他の素材も使われる。胴の部分はチーガとよばれている、材質はあまり問題にされていないようだ。ケヤキ・カリン・槇などが使われるらしい。こうした木材種類が、音の反響に影響すると言う事が実に面白い。ここからはまり込んだ。ユーチューブでは様々な三線が奏でられている。これを聞いていると、実に良い音だと思うものがある。どちらかと言うと低音で、柔らかい音色がいい。全くの素人の感想の範囲である。

素人ではあるが、やはりいい音だなと思う音色は、八重山クロ木の物なのだ。古い三線と思われる音色には打たれるものがある。理由や原理は分からないが、この事に驚く。曲を引くと言うより、あの音を鳴らしてみたい。博物館で出した、CDには名器の音色が出ていると言うので、現在取り寄せている。と言いながら実は思いきって三線を買ってしまったのだ。自分としてはまさかと言う事だが、沖縄を思い出す事が出来るなら、それも良いと思って買った。ヤフーオオクションと言うもので購入した。体験としては初めての様な事だったので、怖々入札して、その価格で買う事が出来た。まだ送られてきていないが、なかなか素晴らしい三線のようだ。価格も正しいのかどうか分からないが、それなら買えるというぎりぎりの価格である。28日に送られてくる予定だ。

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