小田原市の農地の売りたい貸したい
加部島佐賀 3号 北九州に描きに行ったのは、20年も前になる。そのときの絵をもう一度描いたものである。島の畑が面白かった。
小田原市の農業委員会では、「農地の売りたい・貸したい」という人の斡旋をしている。私は個人でも、あしがら農の会としても、農地を借りたいと登録をしているので、年に2度ほど資料が送られてくる。今回の分は、2601番という2014年4月1日の登録分から2690番までの11月12日分までの90件を一覧にした資料が送られてきた。いつもは農業員会に行って、紹介してもらい見に行くのだが、今回は資料に基づいて、直接見に行ってみた。自分の住んでいる久野地区にある貸したいという農地である。所が家のすぐそばなのに、道を間違ってしまい。Tさん個人の行きどまりの畑への道に入りこんでしまった。みかんの収穫をされていた奥さんをびっくりさせてしまった。ご主人が来て、どこのだれかというんで、色々説明したら、農の会の事をご存じの方だったので、来た理由も説明したのだが、山の中で知らない人が来たのだからびっくりしたことだろう。申し訳ない事をした。一山間違えて欠ノ上田んぼの対岸の山の畑に降りて来ていたのだ。
小田原市で半年で、90件という数は増えていると思う。内容は更新されているので、以前より、どなたか熱心な方が精査されているようだ。こうして、農地の貸借が起これば素晴らしいと思う。以前から頼まれている久野で田んぼをやりたいという方の事があるので、見に行ってみた訳だ。悪くはないのだが、日当たりが少し問題かと思った。その他畑を3件みた。こちらはとてもいい場所で、何故貸すのだろうと思うような所だった。今回気付いたのは、売りたいが結構増えたという感じだ。以前から気になっていたあの場所というような所が、売りに出ていたりする。今農業を始めようというのであれば、迷うことなくその農地を購入して農業を始めていただろう。そう確信できるような素晴らしい農地が売りに出ている。新規就農しようという人には、30年前と比べて、夢のような状況である。という事は、こういう政策を30年前にやっていたら、今の様な事にはならなかっただろうと思う。時すでに遅しの感はあるが、まだ間に合う。
農の会では新規就農者のお世話をしている。新規就農者が信用できる人かどうかわからないというのが、なかなか農地の貸借が進まない理由である。そこで、一定期間農の会にかかわって頂き、この人であればという事になれば、農の会を通して、農地の貸借を進め、又農家申請を行う。その為に、農の会に貸して間違いが無かった。こういう状況を作ろうとしてきた。先日も、農の会の人に貸してえらい目にあったという話が伝わってきた。びっくりして、お会いしてお話しを聞いてみた。幸い、農の会の人ではない新規就農者が突然いなくなったという話だった。ホッとしたのだが、農地の貸借というのはなかなか難しく、アパートの貸し借りと同じような感覚でやられたのでは、堪らない。しかし、若い人に対して完全を求めず、試みてみないとならない部分もある。だから私は尻拭いをする覚悟で今までもかかわってきた。勿論、大半の人は期待以上の成果を上げてくれている。
農地は買えば、小田原周辺では大雑把過ぎるが1反100万位ではないだろうか。条件が良ければ価格は全く違ってくる。畑としての条件ではなく、将来の転用の可能性で価格が高かったりする。借りたらば、1反、年1万円程度だ。この価格で100年間借りていられるなら、借りて居た方がいいという事になる。問題は借りている安定度という事になる。土壌がやっと農地になってきたという所で、返してくれと言われると思うと、土壌を育てるような農業をやる気になれないだろう。出来れば公的なものから借りられる制度が出来れば一番ありがたい。農地を、相続税の物納の対象にすればいい。一気に農地は国有化されてゆくはずだ。それを貸し出すのだ。50年すれば農地の半分以上が国家のものになるはずだ。本来国の食糧を作る事は、国家の事業と言っても良い事ではないか。