田園回帰 現代農業1月号
上の畑 12号 少し前の絵である。畑をやりながら考えて描いた絵である。
子供の頃、正月が早く来ないかと首を長くしていると、新年号が12月に出る。もう正月と考えたいがいいかと、親に聞いた。正月になって無いのだから、正月になって開きなさいと言われ、ひどくがっかりした覚えがある。現代農業の一月号は農家のかしこい買い物術特集である。農業の雑誌ではあるけれど、読者の興味を引き付ける、なかなかの企画を出す。私はホームセンターに行ってうろついて歩くのを趣味としている。あまりによく顔を出すので、悪いので行ったら何かしら購入するようにしている。と言いながら、買わずにいられないいい訳。例えば草刈り機の交換プラグとか、余計なパッキングを買ってしまったり。最近買ったのは工具セットの箱である。なんとなくあるといいというものを見っけてしまうのだ。時間が無いので、ついネットで買うのだが、見て買う方が楽しいし、間違いは少ない。そうだ最近いつも着ている作業着は、ホームセンターで買った1500円のジャンパーである。ネプカと書いてあるが、どうも大阪にあるアイトスという会社で、ミャンマーとか中国で生産しているらしい。
いやそういう事ではなかった。現代農業の主張の記事がなかなか大切な事を書いてある。「地方創成とは何か。」ということである。その前にもう一つ気になった記事が、美味しい薬酒、キンカン・柚子酒とある。見開きの2ページに絵入りで作られている記事だ。渡辺修氏が書かれている。あれこれホワイトリカーに浸けこんで飲んでいるので、参考にした事のある人だ。薬酒は飲み過ぎてはいけない、30~50ccとある。そんなちょっぴりというという所が難点であるが、私はほぼ毎日、薬酒を飲む人体実験をしている。100歳まで生きた時に効果の判断が出来る。地域の総力で田園回帰時代をひらくとある。田園回帰はたしか、農文協の造語ではないか。農文協では田園回帰シンポジュームを開催していた。明大の小田切教授の田園回帰の意味、という文章がある。日本創成会議の市町村消滅論に対する反論である。私も小田切教授の考えに同調したいが。美しい村の一つで、南信州中川村という所がある。村長の曽我逸郎氏が内容のある文章をリレーエッセイとして載せている。
ふるさと回帰センターというものもある。田園回帰よりふるさとの方が、なじみやすいという事だろう。故郷に戻ろうという人を支援しようという組織だ。年間1万人以上の人が相談に行くという。都会に出る為の相談センターが地方にあるとは聞いた事が無い。勝手に都会に出て行ってしまうのだ。行政が支援しなければならないようでは、田園回帰の流れはできないと思っている。止めても行きたくなるようでなければ、田舎暮らしはできない。田舎暮しで一番必要なものは医療機関というのがアンケート結果だそうだ。全く考え違いをしている。自分の体の管理ぐらい自分でやると。この覚悟を持たなければ、田園生活は無理だ。甘えた都会生活をふるさとに期待するようでは、まだまだ覚悟が不足している。学校やスーパーマーケットも無ければ暮らせないとある。先ずこういう所が気になるようでは、田園暮らしは止めた方がいい。
田園暮らしは自給の思想である。自給というのは、教育から医療まで通しての事だ。その覚悟なくして、自給は語れない。大学の授業くらい、みんなが協力すればできるだろう。という事である。私は水彩画とその材料に関しては、どこの美術大学の教授より詳しいつもりだ。自分の身体の養生に関しては自己責任の覚悟をしている。きちんと自分で暮らすという事が、すべての前提である。自給とは共同だという事も認識しなければならない。一人は気分は良いだろうが、偏屈になる。個人主義なら、都会の方がいい。主張では、瑞穂の国を作ろうと提唱している。飼料米であれ燃料米であれ、ともかく田んぼを維持することの重要性が田園回帰の原則である。出来れば地域のみんなで共同の田んぼをやることだ。田園に回帰して、人間を変えるくらいの気持ちが無ければ何も得られない。最後に書かれている事がまた良い。2015年は国際土壌年という事だそうだ。土壌が農業の下部構造だ。良い土壌なくして、良い作物はない。すべては土壌に由来する。都会には土が無い。と智恵子は言わなかったか。