NHKの公共性
残雪の北アルプス 山を何故描きたくなるのだろう。自由に描けるからではないかと思う。雲とか、海も自由である。自由でありながら、意味が存在するということが大切だと思う。純粋な抽象画というものは、描きたいと思わない。
NHKは不偏不党ということになっている。しかし、そんなことがこの世にあろう訳がない。あくまで、バランスである。なんとかかんとか偏りがちな中で、社会のまあまあというあたりを行きつ戻りつしている。不偏不党の方向を目指し、探っている姿勢の継続が重要。それででも、左右両方向から非難が続く。この難しい作業を良くやっている方だと思う。良くやっているから、存在を否定されずにここまで来た。しかし、不祥事も度重なり起きている。何度も抗議したが、抗議に対しては慇懃無礼対応で、腹の立つこと極まりない。それでも全体でいえばかなり良く努力していると見てきた。しかし、今回、新しい会長に就任した籾井勝人氏が就任記者会見で極端な「問題発言」をした。早急に辞任する他道はない。公共放送を目指そうと、苦労に苦労を重ねているNHKの新会長が就任の挨拶で、従軍慰安婦問題を発言したのは愚かすぎる。企業の社長で社会慣れした人のはずではある。常軌を逸している。
わざわざもめ事を就任あいさつに持ち出すことは、意図的ということだ。しかも外交問題がらみである。ヨーロッパの従軍慰安婦や、現代のオランダの公娼制度にまで言及し、まるで必要悪という意見のようだ。あの橋下発言とよく似ている。オランダにはオランダの考えがあるわけで、日本の売春禁止法がおかしいという考えを持つのは構わないが、発言は政治問題化を意図していると考えた方がいい。NHKではもう一つ、おかしなことが起きた。やはりNHKの経営委員会委員の百田尚樹氏が東京都知事選に対して、自分なら、田母神氏に投票すると公言し物議を醸している。それをいけないとは思わないが、なるほどNHKの経営陣が安倍内閣の意向に沿って4名入れ替わってきたというのは本当だったのかと思った。当然、今度の新会長の発言の前には安倍内閣の意向が働き、その思いにそっての、就任会見になったと考えた方がいい。ところが新会長は残念ながら、思いが強すぎて、馬脚を早くあらわし過ぎたというところだろう。
安倍政権のやり方は、第3者機関という名を悪用する独裁政治の手法である。秘密保護法に問題があるなら、中立的な機関で審査して、内閣の独走を許さないと、一見誠実な政治を見せかける。実質は安倍内閣の独裁路線である。あらゆる審議会において偏って委員を集めているのが見え見えである。選挙がない信義委員人事での独善である。その手法がNHKに及んでいると考えなければならない。今後放送内容に注目していかなければならない。下手をすると大本営発の国営放送化する。公共を装うだけに深刻な報道の危機である。NHKの職員が経営委員会の考えを気にしてしまう可能性である。あるいは経営委員会の人事への関与である。政府が放送内容で問題にしているのは、原発報道であろう。NHKは今までのところ、原発事故に対して批判的であり、再稼働問題でも懐疑的である。まあ、曖昧な所がないとはいえないのだが、科学的事実を探ろうという姿勢を見せてきた。
再稼働を急ぐ安倍内閣としては、原子力神話をNHKによってもう一度世論形成をしたいというところだろう。NHKが原発報道の立ち位置を変更するかどうか。今後を注目しなければならない。新会長はもう一つ、領土問題もNHKが積極的に世界に、宣伝報道をするようなことも述べた。これもNHKの役割として行うことはまずい。まずいだけでなく、NHKの存在価値を低くするだろう。公共性とは、あくまで事実を淡々と示すことが大切なのであって、わざわざ意図を持って宣伝を述べるようなことは、疑いが強くなるだけだ。どこまでも科学性、論理性で真理の報道を目指す。これが長い間には信頼性を高め、いざという時に公共性の信頼効果が出てくるのだ。誰もが北朝鮮の国営放送の報道を信頼しない。NHKにまで、手をかける安倍内閣のやり方は、悪質である。