米麹の作り方 2014

      2016/04/05

妙高岳の春 10号 今一つの出来。もう少し描いてみる。

今年は19,20日と米麹を仕込んだ。順調に推移したので、気付いたことをさらに加えて以前の方法に、改善を加える。写真を吉田さんが取ってくれたので、それも要所に入れることにする。

1、「事前準備」、
麹作りは、仕込み前日に米を洗い水に浸す。水に浸す時間は20時間でもいい。仕込み当日の早朝、米をザルに上げてしっかりと徹底した水切りを3時間以上は行う。水切りはタオルを中に入れるなど十分に行う。蒸しはできるだけ高温で一時間以上、やり過ぎと思う位に行う。

2、「麹菌の植え付け」
大寒の前後がいい。埃の少ない、寒い部屋でおこなう。新聞紙を敷きその上に清潔な布を広げ、その上に蒸しあがった米を広げ、しゃもじでスライスしながら、米粒の表面の水分とあら熱をとばす。米粒はべたべたせず、表面が乾いた状態が望ましい。麹菌は水分が好きなので、表面が濡れていると、そこに留まって中に入らない。周りが乾いていて、お米の中心が濡れた状態だと芯まで菌が潜り込んでゆく。

3、
一部の米をボールに取り、36°になるまで撹拌し下げる。麹菌を入れて良く攪拌する。全体のお米は湿気を飛ばすように、パラパラ、サラサラの感じで手で広げて乾かす。お風呂を思い出しながら、熱くない感じになるまで行う。

4、
菌をまぶした米を、広げた米にパラパラとまき散らす。全体に菌を揉み込むように、かき混ぜてゆく。菌がお米の芯に入るように揉みこむように、充分にかき混ぜたら、布で包み一塊りにする。それを米袋に入れる。一袋で11キロまでやれた。1時間以上移動する場合は、カイロを張り、毛布にくるむ。

5、「温度管理」
袋のまま、米麹の中の温度計で30°以上33℃位を目標に保つ。ホットカーペットや電気毛布、あるいは湯たんぽなどを使う。湿気が床にまで行くので、ビニールを敷いて置いた方がいい。乾かないように管理する為に米袋はいい。中心部分と、外では温度が違うので、袋を静かに回しながら管理する。

6、「1番手入れ」
10時間後になり、全体がひと塊りになった状態で、少し良い香りが出てくる。この時に布を取り去り、米袋にお米を直に空ける。米袋の中でよくほぐしてやる。この時も中の温度は35℃前後を保つ、上がりすぎないように、保温を調整する。アラーム付きで、外で温度が分る温度計は便利である。

7、「2番手入れ」
さらに10時間後には、菌が回り始め麹の香りが強くなる。米袋の中の米麹をほぐして、でできるだけ平らに広げてやる。それでも温度が上がりすぎるようなら、袋を切り開き全体に広げる。でこぼこの山を作り表面積を大きくする。徐々に温度が上がりすぎるので、この点に注意する。40℃は超えないように管理する。広げた麹の上に、段ボール箱のようなもので麹室を作ってやると管理がしやすい。

8、「3番手入れ」
さらに10時間するとさら白い麹菌が回わって、塊りになってくる。温度が上がり易いが、40℃を越えないように、良くほぐし表面積をふやす。保温は止めた方がいい場合もよくある。40度を越えたからと言ってすぐ失敗と考えないでいい。

9、「4番手入れ」
味噌麹の場合は、少し麹の回りすぎて、黄色あるいは薄緑っぽくなる位が良く、どぶろく麹の場合は少し早目の白い内の方がいい。出来る限り10時間サイクルの発酵を4回ないし、5回繰り返す。温度が上がり過ぎの場合は、6時間でも手入れを行わざるえない。途中で温度が下がってしまったり、発酵が足りないようであれば、保温を強くして再発酵をさせる。割合簡単に戻るので心配いらない。

10、「出麹」
米麹が充分出来上がったら、15℃以下の乾燥したところに広げたまま、乾燥させる。絶対に袋のままにしない。20時間すると完成する。完成したら、冷蔵庫で保存する。

追記、留意点

1、良いお米の蒸しを行うには、十二分に水に浸し、十二分に水切りをすること。その上で、強い蒸気で蒸しあげる。湯気が上に抜けてから、1時間はやる。

2、家庭で行うには、米袋方式はもっとも簡単で、一応のレベルに出来る、優れた方法であること。米袋1袋で10キロまで可能と言われるが、私は今回11キロまでやった。

3、麹菌が良く回るには、湿度の維持が重要。段ボール箱のカバーなどで覆えば、さらに良い。温度にむらがあるときは、袋ごと裏返すのも良い。

4、米麹は4,5回の手入れで出来上がるが、菌の活動をしっかりと終わりにして、保存しないと、袋の中で再発酵をはじめておかしくなる。

5、保存は案外に難しい。充分に乾燥し、冷やし、その後酸素に触れないように保存している。味噌に使う場合は、塩を出来上がったものに混ぜてしまい、保存しておくという方法もある。

6.自給の食事を充実させるためには、麹を生活に取り入れる。冬の間に出来るだけ作り、何かと工夫して使うようにするといい。

7、スーパーで売られているような、全体としては白い塊のようにはならないが、実用には全く問題は無い。あれは最終段階でほぐさずに、パッケージしているのだろうか。

8、袋方式では、手入れ後裏返すことが出来る。保温が下側からだけとかの場合、片面だけ暖かくなれば、裏返して温度調整が出来る。

9、出来た麹の断面を観察し、菌が中に食い込んでいるかを研究する。

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