情報の重要さと危うさ
情報というものは、共有化されて初めて、意味を持つ。情報を独占しようというのが権力の体質である。情報を握ってもらさないことが、権力の安定をはかれるからである。現代社会の階級を作り出すものは、情報の操作であり、独占である。大島土砂災害の避難情報が出されなかったことから、人的被害が拡大した。27号台風の際には、万全の態勢で、避難指示まで出した。今度は空振りに終わったようなものであったが、それでよかった。大島の役場の対応を顧みて、小田原市役所でも今後十分な対応を取ってほしい。そのためには今から準備すべきことが、3つある。まず情報収集力を高めること。災害危険地域における、雨量計と監視カメラの設置。2つ目は、避難所の整備。地域の一時避難所は当然のこと、全体の避難者数と、現在の避難所の収容数の確認。3つ目は情報伝達方法の再構築。小田原には200を超える危険個所がある。この時に情報を公開することは、個人情報であるから行政が公開しないとしたら、どうだろうか。
秘密保持法に関して、国会で議論がされている。国家には秘密があるべきかがまず問われる。国には当然秘密を保全しなければならない情報がある。原子力発電所の保安監視体制は、秘密保全の範囲であると、国会で答弁がなされていた。テロに一番狙われる場所である。当然対策は秘密にされていなければ役に立たない。こういう国家の安全にかかわる国防体制の部分で秘密にしておくべきことはたくさんあるだろう。特にアメリカにしてみれば、日本をスパイした経験から、日本の秘密保持が全く出来ていないので、アメリカの軍事機密を日本にはまずもらすことが出来ないと感じているのだろう。ともかくこういう法律を作らなければ、同盟国としてやってゆけないということが、アメリカの考えだろう。日本は閣議に置いても、文章を残さないということらしい。秘密が漏れるからということらしい。本音は内閣の情報の独占意識が反映している。その結果、政府の原発事故対応がわからないくなっている。分らなければ、次に生かせないということだ。
医療情報がある。これも重要な秘密保持が必要なものだろう。遺伝的疾患の情報が流出する状態であれば、医療に支障をきたすであろうし、差別の原因になる。しかし、政府にすれば完全に把握できる情報であり、利用しているに違いないだろう。今後公務員に関しては、受験に際し精神疾患に関して、徹底的な調査が可能になる。たぶん、思想的分析まで行うのだろう。遺伝的要素も調べても違法にならないことになるだろう。ということは、大半の国民の医療情報が、集められ管理されるということになる。その根拠が公務員の秘密保持能力に関する調査の為とされるだろう。これは言ってい範囲ですでに行われていることを法的に、後追いしようということだと考えた方がいい。個人情報というものが、すべて集められている社会である。そしてその情報量の多さが、社会で勝利する方程式である。スーパーでも、コンビニでも、ネット通販ではなおさら、情報で勝負している。だから、個人商店では特殊なものにならない限り無理になってきた。
すべての人間のありとあらゆる情報を、集めて、利用できる状況が近付いている。国際競争に勝つためには、それをやらなければ勝てないという理由で、国家としてやっているのだろう。それが企業国家というものだ。勝つ企業は社員の把握を管理を徹底しているはずだ。そういう管理国家はすでにあるのだろう。こういう状況を想像しているので、国会での議論は的外れの気がしてならない。報道機関など、取材の自由がどうだこうだと主張しているが、情報の集め方が古臭くないか。007に頼んで情報集めをするのでは、町の探偵社だ。企業や国家のやる情報集めは、意味を考えずに膨大に集めて、その集積から意味を探りだす手法だ。GPSを使って自分の現在地を、自動的に発信する50万人分の情報があるそうだ。こういうことがどういう社会を作るのかを考えた方がいい。どうも、国会の議論が形式論議のような気がしてならない。